企業規模だけでは説明できないAI活用度 中堅・中小企業にも存在する「先進層」
クラスメソッドは国内企業のAIの活用状況に関する調査結果を発表した。AI活用については企業規模による差がある一方、それだけでは説明できないばらつきも明らかになった。
クラスメソッドは2026年6月1日、「国内企業 AI活用実態調査2026」を公表した。調査結果によると、競合他社のAI活用に危機感があるとした企業は83.3%で、AI活用レベルが本番稼働段階に達した企業は47.8%に上った。AI導入の是非を検討する段階から、実際の活用段階へ移りつつある状況がうかがえる。一方で、AI活用度には企業規模による差が見られた。
大企業ほどAI活用は進むが、規模だけでは決まらない
AI活用度の平均スコアは大企業が80.2点、中堅企業が73.8点、中小企業が64.3点だった。本番稼働率は大企業62.7%、中堅企業52.4%、中小企業40.5%となった。この結果から、クラスメソッドは「企業規模が大きい企業ほどAI活用が進みやすい傾向がある」と分析している。
課題面では「人材、スキル不足」が25.5%で最も多かった。ただし人材、スキル不足を除く課題では、ガバナンスやセキュリティ、ユースケース選定など、活用方法や統治に関わる項目が目立った。AI導入そのものよりも、運用設計や社内展開の難しさが前面に出てきたと言える。
また、企業規模だけではAI活用状況を説明できない点もあった。大企業83社のうち21社(25.3%)は「個人活用止まり」にとどまった一方で、中小企業252社のうち46社(18.3%)は最先端の「AI+リーダー」に分類された。クラスメソッドは、AI活用度は企業規模だけでなく、経営判断にも左右される構造があると推測している。
その裏付けとして同社は専任部門の有無や利用方針の明文化、社内利用の広がりについても調べた。専任部門の有無では50.7点、方針を公表しているか未検討かでは49.1点、月間利用者数が100人を超えるか5人以下か、では39.4点のスコア差があった。このことからクラスメソッドは「専任体制、方針公表、利用拡大の3要素を備えた企業群が、規模を超えて成果を上げている」と整理している。
なお、調査対象は経営層とAI推進担当者で、有効回答数は462件(443社)。調査期間は2026年4月15日~5月20日までで、企業規模の分類には経済産業省の定義に基づく大企業、中堅企業、中小企業の3区分を用いた。
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