リスキリングの理解、6割が「ただの勉強」、正しい認識はわずか9.5%
みらいワークスは、リスキリングの認識に関する調査結果を公表した。リスキリング施策自体は広がりを見せる一方で、職種転換を伴う本格的な取り組みは限定的にとどまっており、生成AIへの対応を含む施策の見直しや推進体制の整備が課題となっている。
みらいワークスは、「日本企業におけるリスキリングの認識とAI影響に関する実態調査2026」の結果を発表した。本調査は、従業員規模500人以上の企業において、経営企画部および総務部、人事・労務部などで人材育成に関わる会社員と役員400人を対象に、2026年3月19日~22日にかけてインターネット調査で実施された。
6割が「ただの学習」と認識 リスキリングの誤解
調査によると、所属企業でリスキリングを「全社施策として実施している」と回答した割合は38.3%となった。「特定部門・特定職種などに限定して実施している」の20.0%、「パイロット実施中」の6.3%を合わせると、64.6%の企業が何らかの形でリスキリングに取り組んでいることが分かった。
一方で、リスキリングの捉え方にはばらつきも見られる。61.0%が「職務や役割の転換を前提としない学習」をリスキリングと認識しているのに対し、企業で転換先や対象者を定め、学習と配置転換を一体で運用する本来の意味に近い取り組みと捉えている割合は9.5%にとどまった。職種転換を含む広義の解釈でも16.8%にとどまり、言葉の普及と実際の施策運用との間にギャップがある。
育成テーマの傾向を見ると、DX関連と非DX関連の両方を対象とする企業が47.0%で最も多く、DX関連のみの26.5%を上回った。DX領域の重点テーマでは「生成AIの業務活用」が67.8%で最多となり、「データ分析・データサイエンス」(44.9%)を大きく上回る結果となった。また、非DX領域では「マネジメント・リーダーシップ」が33.3%で最多となっている。
生成AIの普及は、リスキリング施策そのものの見直しにも影響を与えている。リスキリングを実施中、実施済み、検討中の企業においては、「育成テーマ・カリキュラムの更新が必要になった」と回答した割合が37.1%で最多となった他、「目的や制度設計の見直しが必要になった」(17.4%)を合わせると、半数以上が何らかの見直しを迫られている実態が明らかになった。また影響の内容としては、「必要スキル・役割が変わった」が48.0%、「将来必要な職務・役割の再定義が必要」が38.9%と続く。
一方で、施策の変更が進まない企業では、リソース不足が課題となっている。「変更していない/未決定」と回答した層では、「人員・予算不足で着手できていない」が32.6%で最多となった。また、リスキリング推進上の阻害要因としては、「指導者・メンターの不足」(25.9%)が最も多く、「人材・スキルデータの未整備」(24.3%)、「学習・業務適用の時間不足」(21.5%)が続いた。制度設計だけでなく、現場で支える人材や運用基盤の整備が課題となっていることがうかがえる。
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