BCP策定進むも3割超が業務停止 計画と運用にギャップか
エプソン販売が実施したBCP対策に関する調査で、策定は進む一方、有事の初動対応にはなお課題が残る実態が見えた。安否確認や情報共有の遅れに加え、停電や通信障害を想定した紙資料の必要性も改めて浮き彫りになった。
エプソン販売は、全国の企業および自治体関係者を対象に実施したBCP(事業継続計画)に関する実態調査の結果を発表した。BCPの策定は半数以上の組織で進んでいる一方、実際の有事では34.7%が業務停止を伴う被害を経験しており、計画の整備と現場運用の間にギャップがある実態が見えた。
BCP策定でも3割超が業務停止 問われる実効性
調査によると、BCPの策定状況は「策定済み」または「策定中」が半数を超えた。業種別では自治体が80.2%と最も高く、医療・福祉が64.3%で続いた。一方、卸売業や小売業は37.1%にとどまり、業種によって取り組み状況に大きな差が見られた。
だが、実際の有事対応では34.7%が操業停止や営業停止などの業務停止を経験していた。特に製造業では49.5%と約半数が業務停止を経験しており、計画策定だけでは十分ではなく、実際に機能する運用体制の構築が課題となっていることが分かる。
有事対応で困ったこととしては、「従業員の安否確認・出勤困難による人手不足」が64.6%で最多だった。また、「復旧までに数日から1週間以上を要した」との回答も47.7%に上り、初動段階で必要な情報を迅速に集約し、関係者間で共有できるかどうかが事業継続や早期復旧の鍵となることが分かった。
実際に、有事発生直後に重要な対応としても「従業員の安否確認・出勤状況の把握」が64.6%でトップとなった。これに「災害情報や状況のリアルタイムでの収集・把握」(53.5%)、「初期指示・指揮系統の発動」(45.6%)が続き、BCP文書を整備するだけでなく、情報伝達ルートや指揮命令系統を平時から確立しておく必要性が浮き彫りになった。
一方、停電や通信障害への備えについては、62.2%が「紙資料が必要な業務がある」と回答した。必要な資料としては、災害時対応マニュアルや緊急連絡網、事業継続計画書などが上位を占めた他、発災後に更新・印刷する指示書や被害状況報告書の需要も高い。調査結果からは、デジタル化が進む中でも、災害時には電力や通信環境に依存しない紙媒体による情報共有手段が依然として重要な役割を担うことが見えた。
BCPへの年間投資額を見ると、1000万円以上を投じる企業および団体は18.8%だった。業種別では製造業で高額投資の割合が高く、実際の業務停止経験の多さを背景に、事業継続に向けた備えを強化する動きが進んでいるとみられる。
調査は製造業と卸売業・小売業、教育・学習支援業、医療・福祉、自治体のBCP対策担当者各200人、計1000人を対象に、2025年12月26~31日にかけてインターネットで実施した。
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