手作業で消耗する人とそうでない人の差 全員がAIを「当たり前に使う職場」の作り方

生成AIを導入したものの「現場で使われない」「効果が見えない」と悩む企業は多い。活用が広がれば、今度はガバナンスの問題に直面する。単なるツール導入から抜け出し、AIを全社のインフラとして定着させて業務改革を推進するには、どのように取り組みを進めるべきか。生成AIによる業務変革のエキスパートが明かした。

 ビジネスの現場で生成AIの導入が進む一方、「期待したほど現場で使われていない」「導入効果を明確に説明できない」と頭を抱える担当者はいまだ多い。活用が広がり始めた組織であっても、機密情報の漏えいリスクやガバナンスといった統制の問題が顕在化している。生成AIの活用は、単に便利なツールを導入するフェーズから、いかに全社の共通基盤(インフラ)として取り入れ、日々の業務に組み込んでいくかが問われるフェーズへと移行しつつある。

 見方を変えれば、これは組織全体の業務プロセスを根本から見直し、変革する絶好の機会だ。定着と統制の壁を乗り越え、生成AIの全社展開を進めるにはどうアプローチすべきか。JTPの清水怜美氏(インテリジェント・トランスフォーメーション部課長)が実践的な解を示した。

AIは業務改革のためのインフラとして整備するフェーズに

 清水氏は、生成AIが登場する以前より、同社のプラットフォームサービス「Third AI」(サードアイ)を通じてチャットbotなどによる企業のAI活用を支援してきた。年を経るごとにAIができることは増え、技術者・非技術者を問わず日常業務でAIに触れる機会が増加しているという。

 だが、現場の実態を見ると、順調に全社展開できている企業ばかりではない。特定の関心が高い人しか使っていない、あるいは効果検証を目的としたPoC(概念実証)の段階で止まるなどして、現行業務の延長線上での活用にとどまっているケースが散見される。

AIを「全社のインフラ」にするための4つのポイント

 こうした停滞感を打ち破り、AIの全社展開を推進するための大前提として清水氏が挙げたのは、AIを単なる便利ツールではなく、組織のビジネスインフラとして捉え直すことだ。

 「AIがインフラになるとは、単に新しいツールを1つ入れるという話ではなく、仕事をする上でそれが大前提になるということです。インターネット普及後のWebやメール、チャットツールなどと同様に、企業活動を支える全社の共通基盤として位置付けるのです」(清水氏)

 一部の推進担当者だけが使うのではなく、多くの従業員が日常の業務で当たり前のように使う状態を目指さなければならない。それに向けたポイントは大きく4つある。

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