「RPA負債」をこれで解消 言葉で指示するだけでPC作業を自動化する最新AI
RPAでは、保守負担や属人化、画面変更による停止といった課題が付きものだ。こうした「RPA負債」を解消する手段として、AIが状況を判断して操作するAIエージェント型RPAが登場し、業務自動化の対象をデスクトップへ広げ始めている。
定型業務の自動化を目的にRPA(Robotic Process Automation)を導入したものの、画面レイアウトの変更で停止したり、シナリオの修正や保守を特定の担当者に依存したりするなど、運用負荷に悩む企業は少なくない。運用を重ねるほど自動化の維持コストが膨らむ「RPA負債」も課題となっている。
こうした状況を受け、事前に細かなシナリオを作り込むのではなく、AIが画面の状態を認識して状況に応じた操作を行う「AIエージェント型RPA」が登場し始めた。Webブラウザだけでなく、ローカルファイルやデスクトップアプリまで操作対象を広げることで、企業の定型業務をより柔軟に自動化するものだ。
言葉で動く「デスクトップ対応AI」とは?
こうした流れの一例として、ナレッジセンスは、法人向けAIエージェント「ChatSense」のブラウザ操作機能「Cowork」に、Windowsのローカルファイルやデスクトップアプリを扱える「デスクトップ機能」を追加する計画を発表した。
Webブラウザの操作だけでなく、PCのファイル操作や業務アプリを含む一連の作業を自然言語の指示で自動化できるようにする。ベータ版の利用希望企業を受け付けており、月額課金で1人・1カ月単位から利用できるとしている。
Coworkは、AIがWebブラウザで調査や入力、確認などの作業を自律的に実行するエージェント機能だ。これまではWebブラウザの業務を対象としてきたが、デスクトップ機能の追加により、Windowsのローカルファイルや独自の業務ソフトも操作対象となる。Webブラウザとデスクトップをまたぐ一連の業務を、一つの指示で自動化できるようにする。
企業では生成AIの活用が業務効率化やサービス品質向上を目的に広がる一方、RPAは画面レイアウトの変更で停止しやすいことや、シナリオの作成・保守を担える人材が限られること、運用コストがかさみやすいことが課題とされてきた。運用を重ねるほどシナリオの修正や再設定が増え、自動化の維持自体が負担となる「RPA負債」に悩む企業も少なくない。
Coworkは、事前に詳細なシナリオを作成するのではなく、AIが画面の状態を認識し、状況に応じて操作を判断する方式を採用する。画面構成の変更や業務手順の違いにも柔軟に対応しやすく、特定の担当者への依存を抑えた運用を目指す。これまで制約となっていたWebブラウザ外のファイルやアプリも操作できるようになり、Windowsや独自業務ソフトを利用する企業でも活用範囲が広がる見込みだ。
主な特徴は3つある。第一に、ブラウザに加えてPC内のファイルやデスクトップアプリも自動化対象とすること。第二に、事前シナリオを作成せず、自然言語による指示を基にAIが処理を判断すること。そして第三に、既存のCoworkのガバナンス機能と連携し、ブラウザとデスクトップをまたぐ業務を安全に自動化できることだ。
ChatSenseは、企業や自治体向けに提供する生成AIサービスで、セキュリティを強化した環境でChatGPTを利用できる。社内データを活用した回答生成やプロンプト共有、メンバー管理などの法人向け機能を備え、チャット内容をAIの学習対象から除外する設定にも対応する。
初期費用は無料で、最低利用期間の制限はない。ナレッジセンスによると、東証プライム上場企業を含む500社以上が導入している。今回の機能拡張により、従来は自動化が難しかったデスクトップ業務までAIエージェントの対象を広げ、企業のDXや業務効率化を後押しする考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
2
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
9
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー