セキュリティも丸投げできる「Microsoft 365」新運用サービス 情シスはどこまでラクに?
セキュリティ対策の高度化が求められる一方、多くの企業が運用を担う人材不足に陥っている。特に1人情シスでは、日常業務と高度なセキュリティ対応の両立が大きな課題となっている。
広い企業で業務プラットフォームとして利用されている「Microsoft 365」の一部プランには、「Microsoft Defender for Business」をはじめとする高度なセキュリティ機能がバンドルされている。だが、それらの機能はアラートの検知や情報の可視化までを担うものであり、その内容を分析し、攻撃かどうかを判断し、必要な初動対応を行うのは企業側の役割だ。
問題は、その運用を担う人材だ。中堅・中小企業では情報システム担当者が1人、あるいは兼任というケースも多く、24時間体制でアラートを監視し続けることは現実的ではない。近ごろは、ランサムウェアやビジネスメール詐欺(BEC)など、侵入を完全に防ぐことが難しい攻撃が増加している。そのため、侵害の兆候をいち早く検知し、迅速に初動対応することが被害を最小限に抑える鍵となる。
“SOC付き”Microsoft 365運用サービスでセキュリティも丸投げ
これを解消する方法として、企業には大きく分けて2つの選択肢がある。一つは、自社でSOCを構築し、24時間365日の監視体制を整備する方法だ。だが、専門人材の採用・育成や監視基盤への投資が必要となり、中堅・中小企業にとってはハードルが高い。
もう一つは、SOC機能そのものを外部サービスとして利用する方法だ。監視や脅威分析、インシデント対応の一部を専門事業者へ委ねることで、限られた人員でも高度なセキュリティ運用を実現しようという考え方だ。近ごろは、セキュリティ人材不足を背景に、こうしたマネージドセキュリティサービス(MSS)の活用が広がりつつある。
こうした事情を受け、Microsoft 365のライセンスに加え、導入後のセキュリティ運用までを一体で支援するサービスをベンダーは次々と打ち出している。TOSYSが8月3日に提供を開始した「マネージド BP Plus サービス」も、その一例だ。
同サービスは、「Microsoft 365 Business Premium」と、S&Jが提供する24時間365日のSOCサービス「My SOC 365」を組み合わせたパッケージだ。Microsoft Defenderが検知したアラートをSOCアナリストが常時監視・分析し、脅威レベルの判定や利用企業への通知、インシデント発生時の初動対応までをサポートする。
また、ライセンス調達から初期設定、オンボーディング、日常監視、アラートに伴う設定変更までをワンストップで提供する点も特徴だ。加えて、セキュリティデスクを設け、不審メールやフィッシングの相談、Microsoftセキュリティ製品の設定に関する問い合わせ、アカウント侵害が疑われる場合の初動支援などにも対応する。社内にセキュリティの専門人材がいない企業でも、外部のSOCチームを活用しながら運用できる体制を提供する。
料金は、Microsoft 365 Business Premium導入支援サービスが150万円から(個別要件は別途見積もり)、セキュリティデスク for My SOC 365サービスの導入費用が36万円。月額費用はMicrosoft 365 Business Premiumライセンスが1ユーザー当たり3463円からで、SOCサービスの利用料はユーザー数に応じて個別見積もりとなる。
セキュリティ対策の競争軸は、「どの製品を導入するか」から、「導入した製品をどう運用するか」へと移っている。人材不足が続く中、中堅・中小企業にとっては、自社で全てを抱え込むのではなく、専門サービスを活用して運用体制を補完するという選択肢も、今後ますます重要になりそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
2
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
9
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー