音声AIが自治体の電話窓口へ 三次市と北区で実証実験
自治体の電話応対で音声AIの実証実験が広がっている。三次市ではごみ分別問い合わせの時間外相当利用が49.5%に上り、東京都北区も10月から戸籍住民課などで24時間365日対応を検証する。
自治体のAI活用において、電話問い合わせに関する実証実験が各地で広がっている。広島県三次市では2026年7月に、三次市環境クリーンセンターでごみ分別などに関する音声AI受付を実施した。東京都北区では、戸籍住民課と北区清掃事務所を対象に、2026年10月から実証実験を開始する。
三次市の分別問い合わせは時間外利用49.5%、北区も24時間対応を検証予定
三次市の実証はVerbexにより、7月1日から31日まで実施された。環境クリーンセンターへのごみ分別区分や収集日、職員転送などの問い合わせが対象だ。通話時間は約7時間32分。394件のうち平日8時30分~17時15分の通話は199件、休日や夜間、早朝など時間外相当は195件だった。内容は「品目の分別・出し方」が293件で74.4%、「収集日・地区確認」が69件で17.5%を占めた。職員への転送で終わった通話は20件だった。
通話191件を抽出して評価した結果、回答正答率71.5%、AI対応完了率74.4%、事実に基づかない回答の発生率2.9%となった。Verbexは、特定品目名の音声認識、相づちで発話が意図せず中断する事例や、想定外の品目や質問に備える情報拡充、誤案内リスクが高い質問の回答制御や職員転送を改善点に挙げた。独自の音声認識モデルを使い、利用データを基に認識精度や発話割り込み処理、ナレッジベース、人への接続制御を改善する方針だ。
一方、北区では、AI活用推進体制の強化に取り組む中、入電集中によるつながりにくさや、夜間や休日の情報アクセスの断絶、通常業務と並行する電話応対による業務中断を課題としていた。区はAI活用による業務効率化と区民サービス向上を目的に情報提供依頼を実施し、GROWTH VERSEのグループ会社である電話放送局を実証事業者に選定した。
北区の実証においては、AIが質問を聞き取り、区の公式情報に基づき回答する。対応が難しい場合は質疑の要約を職員へ引き継ぎ、利用者が職員との直接通話を望めば従来通り人と話せる。情報源を北区の公式情報に限定するなど、正確性の確保に努める。
電話放送局はシステム構築と運用・改善支援、職員研修、結果の検証と報告を担い、北区はFAQ提供と動作確認を担当する。職員アンケートやヒアリングで、事務負担の低減や区民サービス向上、対応品質の均一化、問い合わせ利便性の向上を検証する。
なお、GROWTH VERSEおよび電話放送局は世田谷区でもAI自動音声応対実証に採択された他、倉敷市では2026年7月から市民課電話対応AIとして本格稼働、綾瀬市では2026年8月からAI電話自動応答システムの運用が始まっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
ニュースピックアップ
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Windowsを使い続けるのは正解か? 「Linux化」というモダナイズのもう一つの選択肢
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
スウェーデン発、AI議事録Klangが日本上陸 無料で文字起こし無制限
-
4
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
5
なぜNTTは「小型LLM」にこだわるのか 国産AI「tsuzumi 2」に込めた狙い
-
6
「社内情報をAIに食わせればいい」だけでは足りない、情報検索精度向上の鉄則
-
7
ランサムウェア対策の3ステップ AWSが提唱する「3-2-1-1-0」ルールとは
-
8
禁止しても無駄? 社員が勝手にAIを使う時代、情シスはもう止められない
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー