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» 2015年06月18日 10時00分 公開

ウェアラブルデバイスのビジネス活用に未来はあるのか?すご腕アナリスト市場予測(3/4 ページ)

[亀津敦,野村総合研究所]

ウェアラブルデバイスはどこに向かうのか

 図3は、ウェアラブルデバイスの進化を予測したITロードマップである。前述の通り、ウェアラブルデバイスの活用シーンはコンシューマ向けにはヘルスケア用途での利用から時間をかけて普及し、それに先行して企業内の業務支援用途での利用が進むとNRIは見ている。

ウェアラブルデバイス進化のITロードマップ 図3 ウェアラブルデバイス進化のITロードマップ(出典:NRI)

2014〜2015年度 黎明期:新端末の登場と企業内特定用途での利用の開始

 ヘルスケアなど特定の目的に限定した「目的特化型」のウェアラブルデバイスから、アプリケーションの開発や追加が容易な「汎用(はんよう)的」なウェアラブルデバイスが次々と登場する時期である。現在、2015年はウェアラブルデバイスの種類がさらに拡大していく段階にある。

 ただし、当初は端末への新たな投資が必要なことやプライバシーへの懸念(後述)から、一般消費者向けというよりも、企業内でハンズフリー業務が必要な部署の従業員向けなどに限った試行的な利用が本格化する段階である。

2016〜2017年度 普及期:生活者に普及し「身に着けるアプリ、サービス」が登場

 生活者向けの普及が進むと、情報の配信やサービス提供のインタフェースとしてのウェアラブルデバイスの重要性が増す。生活者が情報に触れる第2の手段として、スマートウォッチなどが「セカンドスクリーン」と呼ばれることがあるが、このウェアラブルデバイスが提供するセカンドスクリーンが、生活者に対するマーケティングメッセージなどを届ける媒体として活用されるようになる。

 ウェアラブルデバイスが生活者に提供する利便性はマーケティングメッセージやクーポンにとどまらない。ウェアラブルデバイスが生活者の買い物の体験を変えたり、決済に用いられたりすることも考えられる。

2018年度以降 発展期:クラウドとの連携でインテリジェントなサービスが実現

 複数のウェアラブルデバイスや環境に埋め込まれたセンサー同士が連携し、クラウドサービスとつながることで、端末の持つ制約条件等を補う技術が進化し、利用者のおかれた状況にマッチしたサービスを提供する、いわばコンシェルジュのような高度なサービスが提供されるようになる。

 例えば、クラウドサービスの天気予報データと端末のGPSや温度センサー、カメラからのデータとを組み合わせて利用者が今いる場所の天候の急変を予測し、ジョギング中であれば「いつごろ引き返すべきか」をアドバイスしたり、外出中であれば公共交通機関の運行状況を随時メガネに表示したりするといったことが考えられる。

 また、身に着けたウェアラブルデバイスから車や自宅のキーを施錠、解錠したり、家の中の家電製品をコントロールしたりするようなことも可能になろう。そのためには、ウェアラブルデバイスがクルマやホームネットワークと連携することや、確実な本人認証を実現することなど乗り越えなければならない技術的課題も存在するが、既にこのようなウェアラブルデバイスの利用の可能性を自動車メーカーや家電メーカーが模索を開始している。

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