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業務アプリを私物端末で利用するBYOD実装IT導入完全ガイド(2/4 ページ)

» 2015年10月27日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]

アプリケーション仮想化技術

 ただし、個人の仮想デスクトップ環境を全てサーバ側に用意すると、使い勝手は従来と変わらないもののライセンスコストが重くのしかかり、社員数が多い場合は現実的に全社基盤として使うには厳しいケースもある。

 そこで、デスクトップ環境ではなく、特定の業務アプリケーションのみをサーバ側で稼働させ、複数人で共有しながら活用するという仮想化の手法もある。これがアプリケーション仮想化だ。この方式の方がデスクトップ仮想化方式よりも安価で済むため実装しやすいはずだ。

 なお、仮想化技術を活用するには、社内にアクセスする際のユーザー認証機能やVPNをはじめとしたセキュアなアクセスなど、周辺のインフラもしっかり整備しておくことが重要になる。

デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の違い 図2 デスクトップ仮想化とアプリケーション仮想化の違い(出典:シトリックス・システムズ・ジャパン)

仮想化だけにこだわらず、最適化された環境が目的達成に必要

 仮想化技術は私物端末だけに有効なわけではない。会社支給の端末であっても同様のメリットが享受できる。あくまで私物端末は選択肢の1つであり、どんな端末でも選択できるのが仮想化による基盤作りのポイントだ。また、仮想化はPCだけでなく、スマートフォンやタブレットにも同様のデスクトップ環境及びアプリケーション環境を提供することが可能だ。

 ただし、PCの画面をそのままスマートフォンに持ってきても、使い勝手がよくないのはご存じの通り。スワイプなどスマートデバイスならではの使い勝手を発揮するためには、モバイルアプリなど端末に最適化されたツールを利用することが業務効率化など本来的な目的につながる。

コラム:Chromeリモートデスクトップはなかなか快適

 仮想化技術ではないが、手軽に自分のデスクトップを呼び出すことが可能なリモートデスクトップサービスがある。それがWebブラウザで行うリモートデスクトップだ。これもクライアントの環境に依存することなく、Webブラウザさえあれば業務で使うデスクトップ環境を社外から手軽に読み出すことができるようになる。

Chromeリモートデスクトップ 図3 Chromeリモートデスクトップ。Webブラウザの拡張アプリをインストールし、事前にホスト側へアクセスするPINを設定するだけ。簡単な手順で画面共有及び操作が可能になる。写真はMacBook Airの画面をiPhone6s上でリモート表示させている。遠隔操作も可能だ。

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