「Microsoft Teams」の最新アップデートでは、Web会議の利便性とセキュリティの両面に影響する機能変更が加わった。あまり認知されていないこれらのアップデート内容を整理する。
2025年6月、「Microsoft 365」の主要アプリに施されたアップデートの中でも、「Microsoft Teams」には実務に役立つ6つの機能が強化された。チャネル構成の刷新をはじめ、会議中の着信を見逃さない新たな通知機能や、セキュリティに配慮したライブキャプションの制御など、情シスやIT管理者の実務ニーズを反映した改善が目立つ。
今回のアップデートによって何が変わり、どのようなメリットがあるのか。Microsoft MVPとして活動する内田洋行の太田浩史氏による解説を基に、全6項目にわたるTeamsのアップデートの詳細を解説する。
本稿は内田洋行主催のウェビナー「聞きたい!知りたい!おさえたい!今月のMicrosoft 365アップデート」の講演内容を基に、編集部が再構成した。
画面表示の管理権限を付与するユーザーを限定できるようになった。従来は開催者、共同開催者、発表者すべてが管理可能だったが、新たに「開催者と共同開催者」「開催者、共同開催者、発表者(既定)」「特定のユーザー」の3パターンから選択できるようになった。これにより、操作に慣れていない発表者による誤操作を防ぎ、タウンホールの運用管理をより安全に行える。
チーム作成時に自動生成されるチャネルを、従来の「一般」チャネルとして設定できるようになった。チャネル名の編集でも「一般」に変更可能で、このチャネルは他のチャネルと異なり、常に一覧の最上部に固定表示される。チャンネル名の決定に迷う場合は、ひとまず「一般」としておくのが実用的だ。
Teamsでの着信時に表示されるウィンドウに、サイズを「大」「小」の2種類から選べる新機能が追加された。従来は画面を大きく占有する会議ウィンドウが即座に立ち上がり、作業の妨げになるケースも少なくなかったが、小さいウィンドウを選べば、現在の作業を中断せずに応答できる。通話中に大きなウィンドウへ切り替えることも可能だ。
会議や通話中に第三者から着信があった際、ビープ音で通知してくれる「キャッチホン」的な機能が追加された。ビープ音は控えめな音量で5秒間隔で鳴る仕様となっており、会話の妨げになりにくい設計だ。利用するには、「通知とアクティビティ」設定内の「忙しい時や会議中にサウンドを再生する」を有効にする必要がある。
会議中の発言をリアルタイムで表示する「ライブキャプション」機能に、コピー制限が追加された。これにより、機密性の高い会話が不用意に外部へ漏れるリスクを抑制できる。ただし、会議後に利用できるトランスクリプト(文字起こしデータ)は従来通りコピー可能で、今回の制限はあくまで会議中のライブキャプションに限られる。
タスクバーのTeamsアイコンを右クリックすると表示されるステータスメニューが刷新され、日常的によく使う項目に絞ったシンプルな構成に変更された。アカウント名と現在のステータス(連絡可能/取り込み中など)が表示され、ステータス変更もスムーズに行える。仕事用と個人用で複数アカウントにサインインしている場合は、それぞれに対応したメニューが切り替えて表示される。
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