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データ活用力アップ、「データ仮想化」を導入ステップと先進事例で学ぶIT導入完全ガイド(2/3 ページ)

» 2016年01月27日 10時00分 公開
[小池晃臣タマク]

米SONY(米):複数のデータの分析頻度を向上し、ROIが7.2倍に

 SONYの米国法人であるSONY Network Entertainment Internationalは、グローバルで展開しているオンラインサービスプラットフォーム「SONY Entertainment Network(SEN)」でのマーケティング情報分析基盤としてデータ仮想化ソリューションを活用している。

 かつて同社では、「Play Station 3」に関するマーケティング情報を迅速に収集したいと考えていたものの既存のデータウェアハウスを基盤とする仕組みでは週1回が限界で収集できる回数は限られていた。また、複数ソースからのデータを1つのデータとして評価できるようにすることも課題となっていた。

 そこで同社では、データ仮想化ソリューションを導入し、日時でのデータのアップデートを実現するとともに、オラクルの「Exadata」中のクリックストリームのデータとHadoopの中のシステム利用データを連結評価できるようにしたのである。

 こうしてデータ仮想化ソリューションの導入により、900万ドルの年間売上増加、最初のプロジェクトで41万ドルのITスタッフコストの削減と30万ドルのIT基盤投資の削減を実現した。初年度でのROIは実に7.2倍にもなっている。

SONY 図1 SONY Network Entertainment Internationalのデータ仮想化ソリューションの効果(出典:シスコシステムズ)

マクニカ:グローバル経営情報をリアルタイムに可視化

 世界14カ国64拠点をベースにビジネスを展開する半導体などの電子部品関連専門商社、マクニカ。同社はデータ仮想化ソリューションの導入により、新たなデータ統合基盤「MACNICA GLOBAL DATA HIGHWAY(以下、MGDH)」を2015年に構築している。

 MGDHは、急速に変化するビジネス環境に対応するため、グローバル経営情報をリアルタイムで可視化する基盤であり、世界の複数拠点にある各システムから、必要なデータを適切なタイミングで連携させ、最適な形でユーザーに提供することを可能としている。

 MGDHの構築にあたっては、各地域の異なる基幹業務システムに格納されているデータをシームレスに統合することが求められた。そこでマクニカでは、グローバルデータ統合プラットフォームを実現する仕組みとしてデータ仮想化ソリューションの導入に踏み切ったのである。

 ベンダーの選定では、異なる基幹業務システム間でのデータ連携の容易さや、データの規模/形式/プラットフォームに依存しない品質、過去の実績に基づく信頼性などがポイントとなった。

 MGDHの活用によりマクニカでは、グローバルでのデータ連携と迅速なレポーティングを実現するとともに、非効率な作業を大幅に削減して、業務効率の向上に成功している。

マクニカ 図2 マクニカが構築した「MACNICA GLOBAL DATA HIGHWAY(MGDH)」(出典:インフォマティカ)

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