322人を対象に「ログの管理状況」を調査。後編では「ログの取得、管理方法」や「ログ取得後の問題点」「問題発見の有無とその内容」などが明らかになった。
キーマンズネットでは、2015年11月5日〜11月20日にかけて「企業におけるログの管理状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数:332)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門(従業員のインターネット利用を管理する立場)が全体の30.1%、一般部門が69.9%という構成比であった。
前編では、ログの管理状況やその管理目的、ログの確認頻度などを聞いたが、中小企業の5割以上がログを収集、または管理していない事実が明らかとなった。後編で聞いたのは、「ログの取得、管理方法」や「ログ取得後の問題点」「問題発見の有無とその内容」など、ログの利用状況を把握するための質問だ。
なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
まず、ログを取得または管理している企業に「ログの取得、管理方法」を聞いた。その結果、1位が「統合ログ管理ツール(有償)」で67.9%、2位が「各種システム・製品に特化したログ管理ツール」で29.6%、3位が「各種システム・製品のログ管理機能」で18.5%、4位が「統合ログ管理ツール(無償)」で7.4%、5位が「各種フォレンジックツール」で3.7%と続いた(図1-1)。
一方、導入予定がある企業の管理方法も1位は同じく「統合ログ管理ツール(有償)」で63.6%、2位が「統合ログ管理ツール(無償)」で40.9%、3位が「各種システム・製品のログ管理機能」で25.0%、4位が「各種システム・製品に特化したログ管理ツール」で22.7%、5位が「各種フォレンジックツール」で9.1%と続いた(図1-2)。
既に導入している企業では有償版の統合ログ管理ツールや、システムや製品に特化したログ管理ツールを導入している企業が多く、無償版の統合ログ管理ツールを導入している企業は7.4%にとどまった。一方で、今後導入を検討している企業では40.9%が無償版の統合ログ管理ツール、25%が各種システムや製品のログ管理機能を活用したいと回答している。
実際、幾つかの統合ログ管理ツールベンダーから無償版のツールがリリースされており、機能の一部は限定されているものの、ログの取得や検索、レポート出力が可能になってきている。そのためベンダー側はログの監視や取得後の分析、活用方法などのコンサルティングサービスで差別化を図る傾向になってきており、これらが無償版の統合ログ管理ツールの導入意向の高さに現れているのかもしれない。
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