デルのサーバやストレージに「Windows Server 2012」や「Windows Azure Pack」が搭載されたアプライアンスが登場した。
デルは2016年4月4日、設置してすぐにハイブリッドクラウド環境を構築できるアプライアンス製品「Dell Hyblid Cloud System for Microsoft(DHCS)」の提供を開始した。
DHCSは、マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Cloud Platform System Standard」(CPS Standard)を採用、デルの「PowerEdgeサーバ」や「PowerVaultストレージ」などのハードウェアで構成される。
「Windows Server 2012 R2」「System Center 2012 R2」がプリインストールされているほか、マイクロソフトが提供する「Windows Azure Pack」を搭載。事前検証済みの構成で提供するため、デルの検証によると「設置から約3時間で運用を開始できる」という。
Windows Azure Packは、オンプレミスの環境でWindows Azureと同じサービスポータルを利用するためのソフトウェア。System Center 2012 R2や「SQL Server」と連携することで、IaaS(infrastructure as a Service)やDBaaS(Database as a Service)機能も実現する他、パブリッククラウドであるMicrosoft Azureとシームレスに連携する機能を持つ。
従来、Windows Azure Packを利用した場合でも、プライベートクラウド構築時には個別にハードウェア検証やセットアップが必要だったため、本稼働までには時間がかかっていた。DHCSでは、ハードウェア/ソフトウェアとも検証済みの構成で出荷されるため、導入の負担が少なく、ハイブリッドクラウド環境の構築も短期間で実現できるという。
デルでは、DHCSのユーザーに対して、自社ファームウェアアップデートだけでなく、マイクロソフトが定期的に提供するパッチ類を一括して検証した上でユーザーに提供する。ハードウェアやOS、ミドルウェアのアップデートを一括できる上、ローリングアップグレードを前提にした無停止パッチ適用も可能だという。
DHCSには、100VMまでに対応する「Sサイズ」、200VMまでに対応する「Mサイズ」、400VMまでに対応する「Lサイズ」のモデルがある。最小構成価格は100VMを利用するケースで3200万円から(税別)。導入に際してはデルのファイナンスオプションとして、購入後に設置するのではなく、サービスインの時点で支払いを開始する「Provision and Pay」モデルと、使用リソース量に応じて費用を支払う「Pay as You Grow」モデルが選択できる。
なお、同製品にWindows Azure Packを提供するマイクロソフトでは、現在、Azureのソフトウェアスタックをオンプレミス向けに提供する「Azure Stack」のパブリックプレビューを展開している。こちらはWindows Server 2016向けであり、今後、正式リリースされた場合は、DHCS同様に、デルと共同で検証済みアプライアンスとしての提供も予定しているという。
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