ビジネスチャットツールの導入は、LINEを使っている人も多いから簡単だと誤解していないか。セキュリティなど気を付けなくてはならない点もある。
チャットツールというと少し前までは個人利用が主流でしたが、最近では社内でのコミュニケーション手段の1つとして取り入れる企業が増えてきました。多くの人々が同じ情報をリアルタイムで共有できるという利点、そしてこれらの情報をいつでも検索、参照できるという利便性が、業務の生産性や効率アップにつながると評価されているからです。
しかしビジネスでチャットツールを導入する場合、幾つか気を付けなければならない点があります。最大の懸念といえるのがセキュリティと安全性でしょう。今回はこの安全性を含め、導入前に気を付けるべき幾つかのポイントについて、見ていきたいと思います。
現在利用可能なチャットツールおよびプランは多種多様です。中には無料で利用できるものもありますが、こうしたツールやプランはユーザー数や利用可能なストレージ容量が制限されていたり、管理機能が十分でなかったりするので、注意が必要です。最初は少人数での利用でも、後にユーザー数を増やすことがある程度分かっている場合は、プランの変更が簡単に行える、あるいは増やした分だけ利用料金をプラスすれば済むようなツールおよびプランを選ぶべきです。
前述した通り、ビジネスでチャットツールを導入する際に一番気を付けなければならないのがセキュリティです。例えば、LINEやFacebookメッセンジャーなどのチャットアプリを、仕事にそのまま持ち込んでいるケースが度々見られますが、これは情報漏えいのリスクを高める危険な行為です。送る相手を間違えてメッセージなどを送信してしまうと、大変な問題に発展しかねません。
また社員が個人所有のスマートフォンにチャットアプリをインストールし、業務に関連する内容をやりとりしたりする「シャドーIT」にも注意が必要です。
ビジネスでチャットツールを導入する場合は、登録した端末でしかアプリが使えないようにできる、端末の紛失や盗難時の対策がある、第三者が盗み見できないといった、セキュリティ対策がどの程度取られているかを確認しましょう。
新しいツールを導入すると、簡単に使いこなして積極的に利用する人と、なかなか馴染めずあまり利用しない人とが出てきます。チャットの最大の魅力はグループチャット、つまり大人数で同じ情報を共有したり、コメントや情報を提供しあったりする点にあるので、利用しない人が1人でもいれば、その人にはメールや電話といった別の手段を使わなければならず、二重に手間がかかってしまいます。
ビジネスチャットツールの導入を決めたら事前に利用者全員に通達し、使い方などを説明しておきましょう。「LINEで慣れているはずから大丈夫」などと決めつけず、正しく説明し周知することが重要です。
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