メディア

帳票などの利用状況(2016年)/前編IT担当者300人に聞きました(3/3 ページ)

» 2017年01月19日 10時00分 公開
[キーマンズネット]
前のページへ 1|2|3       

データ化を積極的に実施したくない理由

 最後に、「データ化を積極的に実施したくない理由(複数回答)」を聞いた(図3)。その結果、「担当者のスキルが不十分(33.3%)」「取引先が対応していない(25.5%)」「情報漏えいリスクへの不安が払拭(ふっしょく)できない(22.8%)」「電力がないと閲覧・編集ができない(19.7%)」の順となった。

「データ化」を積極的に実施したくない理由(複数回答) 図3 「データ化」を積極的に実施したくない理由(複数回答)

 選択肢の項目それぞれに分散したことから、1つの決定的な理由があるわけではないことが分かった。一方で、「その他」が26.2%と比較的多く、想定以外の理由が多かったことが考えられるため、ここでは「その他」と回答した人のフリーコメントから本音を探ってみた。

 フリーコメントでは、帳票のデータ化を推進する際のコスト的な障壁を挙げる声が多かった。予算的な制約条件を除く「積極的にデータ化を選択しない理由」としては次の4種類に大別できた。

 1つ目は、「紙の方が分かりやすい」「紙の方が見やすいものもある」など、保管以前に、「閲覧時は紙の方が優れている」ものがあるというケースだ。

 2つ目は、「法対応のため」「紙での管理が必要なものがある」「紙の公的書類が含まれている」「積極的に進めているが、監査対応で必要なもののみ紙で残す」など、法律との絡みや内部統制の上で、紙での保管が必要なものがあるというケースだ。

 3つ目が、「データ形式依存の過去データをちゃんと閲覧できるかが心配」「過去文書の対処に苦慮している」など、過去のデータや書類の扱いがネックになっているケースだ。

 そして4つ目は、回答者らがデータ化に肯定的であっても導入を担当する部署がやりたがらないというケースだ。「主管部門が必要性を認識してない」「主管部門の担当者が運用方法の変更を嫌っている」「(そもそも主管部門が)過去からの習慣を変えたくない人の集まり」「社内に理解者がいない」「経営者の理解が不十分」といったコメントが寄せられており、社内での課題意識の違いが原因となって積極的に導入が進まない状況が見える結果となった。この点については、後編でさらに掘り下げていきたい。

 前編では主に「業務上、帳票を作成または利用する立場にあるかどうか」「『データ化』を計画または実行しているかどうか」「ペーパーレス化を積極的に実施したくない理由」などをレポートした。後編ではより具体的に、「作成・利用している帳票は『紙』なのか、『データ』なのか」「紙で保管する理由」「帳票をデータ化している理由」についてレポートする。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。