会議やプレゼンテーションなどの定番デバイスとして利用されるビジネスプロジェクター。特に変わっていないように思えるが、ここ数年で着実な技術的進化を遂げている。
会議やプレゼンテーションなどで利用されるビジネスプロジェクター。以前から複数の参加者が画面情報を共有するための定番デバイスとして君臨している。「技術的にはそれほど変わっていないのでは……」と思う人もいるだろう。だが、ビジネスプロジェクターは、ここ数年で着実に進化している。今回は、ハードウェアとしてのビジネスプロジェクターについての現状を確認するとともに、その最新事情についても解説していこう。
ビジネスプロジェクターとは、主にPCを入力機器としてその画像を投映するデバイスである。機種にもよるが60インチから100インチを超えるサイズの映像をスクリーンや壁面に投映可能で、同サイズの液晶ディスプレイに比べれば圧倒的に低価格である。また、必要なときに投映できて設置場所も選ばない。シチュエーション(場所の広さや参加者の人数)に合わせて投映サイズを柔軟に変更できるというメリットもある。
法人向けのビジネスプロジェクターと家庭向けの一般的なプロジェクターの違いは何だろうか。一番の違いは、投映画面の明るさだ。
ビジネスプロジェクターは、プレゼンテーションや資料を表示するものだ。そのため、主に文字情報がくっきりと正確に伝わることを重視している。一昔前の製品では、文字や図面がぼんやりと表示されることを防ぐために、室内灯を消したり、暗幕を張ったりした経験を持つ人もいるだろう。だが、今日のビジネスプロジェクターであれば、自然光が窓から差し込む程度の明るさの室内であっても、特に何も対策をすることなく十分に視認できる明るさで投映できる。投映された資料を見ながら、手元のメモを書くことも可能だ。
一方で家庭用プロジェクターは、主に映像作品を忠実に再現すべくコントラストのメリハリや色彩の再現度を重視している。プロジェクターにおいては、明るさとコントラストの高さはトレードオフの関係にある。そのため、家庭用プロジェクターは映画館と同様に暗くした室内で利用する仕様となっていることがほとんどだ。カタログを注意深く読むと、ハイエンドモデルの方がミドルクラスよりも「暗い」光源を搭載するケースが散見される。
このように、一口に「プロジェクター」といってもビジネスプロジェクターと家庭用プロジェクターとでは大きく異なる製品ジャンルであり、共用するものではないことが分かるだろう。なお、明るさの単位には幾つか種類があるが、プロジェクター選びにおいては光源から発する光の量を表す「ルーメン(lm)」が重要な指標となる。
以降では、ハードウェアのスペックに注目しながら、ビジネスプロジェクターの選び方について解説しよう。
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