若者に人気のフリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリ。労務担当者が1人にもかかわらず社員はどんどん増加するという状況をどのように乗り切ったのか。
メルカリでは、急激に増え続ける社員の労務管理業務を少数の担当者で確実に遂行すべく、クラウド労務ソフト「SmartHR」を活用し、“攻めの労務”を実現している。サービスの導入いきさつや導入後の効果、そして今後、目指していくべき労務管理の在り方などについて、同社のコーポレートプランニンググループ 横井良典氏に話を聞いた。
2013年7月にローンチしたフリマアプリ「メルカリ」は、スマホから誰でも簡単に売り買いが楽しめることなどで人気を集め、利用者が拡大している。購入時はクレジットカード・キャリア決済・コンビニ・銀行ATMで支払いできる上、品物が届き、評価をしてはじめて出品者に入金されるという安心・安全な独自システムを採用する点も支持を得ている理由のようだ。2017年3月15日には、米国に続く海外展開として英国でもアプリの提供を開始。アプリのダウンロード数は、日米合わせて6500万を突破している。運営会社であるメルカリも、2013年2月の設立以来、ユーザー数の増加と歩調を合わせて社員を増やし続けており、現在は約400人が在籍している。
そんな成長スピードの速さから、同社には毎月10人〜20人といったペースで新しい社員が加わるだけに、労務管理の問題をかねてより抱えていた。当時、労務管理の担当者は1人で全て担っていた。
そこで2015年末よりシステム導入の検討を開始し、翌2016年1月には、当時リリースされたばかりのクラウド労務ソフト「SmartHR」の導入を決定したのだった。
決定までのスピードの速さの理由の1つとして、労務管理で必要となる書類の作成や役所への届け出をWebで行えるような企業向けのクラウドサービスは、当時他にはほぼ存在せず、比較検討などの時間が省けた点が挙げられる
メルカリがSmartHRを正式に利用開始したのは同年3月で、横井氏の前任である当時の労務担当者は1人、社員は180人程度だった。しかし、SmartHRはもともと従業員が10人ほどの規模の企業に使ってもらうことを想定してつくられたサービスであったため、100人以上の環境でも使いやすいサービスとなるよう改善が必要であった。メルカリをはじめとするさまざまな企業の要望を実現させるため、当時はシステムの根幹に関わるようなレベルの大幅な改善が毎月のように繰り返された。
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