第2回 “コラボレーション”が働き方変革の起爆剤 ツールから始める業務効率化術
チャットやWeb会議、ビデオ会議などコラボレーションツールは豊富にあり、それぞれ適している場面がある。適材適所のツール活用で、ワークスタイル変革を1歩前進させることができる。
前回「ワークスタイル“改善”で終わってない? 本当の『変革』に必要な3つの要素とは」は、全社規模でワークスタイル変革を進めているネットワンシステムズのナレッジを基に、ワークスタイル変革が必要な背景と、ITがどのように貢献できるのかを紹介した。
第2回となる今回は、具体的な取り組みを交えながら、ネットワンシステムズがワークスタイル変革のために利用しているツールを紹介する。
離れた場所を結ぶ「コラボレーション」
離れた拠点同士で円滑かつ迅速に意思疎通を図るための手段として、従来の電話やメールといったコミュニケーションツールに加えて、インスタントメッセンジャーやビデオ会議、Web会議のようなリアルタイム性を持って複数名で仕事を進められる「コラボレーションツール」を使用する企業が増えている。各コラボレーションツールには、利用シーンに応じた特有のメリットがある。
インスタントメッセンジャーとプレゼンス確認機能
業務中に発生する小さなコミュニケーションのスピードと柔軟性を高めたい場合は、プレゼンス(在席状況)確認機能を搭載したインスタントメッセンジャーが効果的だ。ネットワンシステムズは、全従業員がインスタントメッセンジャーを利用している。従業員同士でコミュニケーションを取りたい場合、相手のプレゼンスを確認して、チャットで連絡をしている。
プレゼンス確認機能は、スケジュール表や電話などと連携することで、「応答可能」や「会議中」「退席中」「通話中」など、相手の状況を把握することができる。応答可能であれば電話やビデオ会議ですぐに連絡したり、会議中であればチャットで様子を聞いたり、退席中であれば取り急ぎチャットやメールでメッセージを入れたりと、最適な連絡手段を判断することができる。
インスタントメッセンジャーは、メールで連絡するほどではない軽い内容をテキストで交わすことで、迅速なコミュニケーションを実現できる。もちろんスマートフォンでも利用でき、電車の移動中や出張中でもオフィスと変わらないスピードで対話を進めることが可能だ。インターネットにさえつながっていればコミュニケーションできる手軽さや気軽さから、ネットワンシステムズではチャットの利用が多い。ある人の「了解」という二文字だけで進む仕事が多いことは、多くの読者も実感できるのではないだろうか。
インスタントメッセンジャーは、「今、少し大丈夫?」という短いメッセージで簡単かつ迅速にコミュニケーションがスタートでき、プレゼンス確認機能は最適なコミュニケーション手段を選ぶための補助となる。これらのツールは、企業のコミュニケーションのスピード向上と効率化に大きく役立つはずだ。
ビデオ会議とWeb会議
複数名で顔を合わせて会議がしたい場合は、「ビデオ会議」が適している。ネットワンシステムズは、ビデオ会議専用端末を全ての拠点とグループ会社向けに合計約130台導入した。設置場所も工夫し、会議室はもちろん、使いたいときに使えるようにフリースペースにも多く設置し、予約なしでも使えるようにしている。
ビデオ会議は、映像を通じて相手の様子が分かる上、デスクトップを共有できるため資料を共有しながら会議が進められる。従来の電話会議と比べて伝えられる情報量が多く、国内や海外などで多くの拠点を持つ企業で欠かせないツールになりつつある。クライアントのPCやスマートデバイス用のクライアントソフトウェアを用意するビデオ会議製品もあり、専用端末を使うことなくビデオ会議ができる。これは在宅勤務や外出先のような環境の場合に大いに役立つ。実際にネットワンシステムズでは、大半の従業員が場所を問わず日常的にビデオ会議を利用している。
一方で、大人数のオンライン会議や通信ポリシーを意識させないシステムとして「Web会議」が適しているケースがある。例えば、社外の関係者に対するセミナーを開催する場合だ。ビデオ会議システムを使ってしまうと、多地点接続用サーバの接続単価が高価なため大人数とつなげるのは難しい。だがWeb会議はビデオ会議と比べて安価なため、その課題をクリアできる。
また社外の関係者とのコラボレーションにおいて、インターネットとクライアントPCまたはスマートデバイスさえあれば利用可能なクラウドサービスのWeb会議が適している。Web会議は異なる企業におけるセキュリティポリシーの違いや、ファイアウォールのポート開放などの課題がほぼ自動的に解消するため、利用のハードルが低い。さらにクラウドサービスであればオンプレミスのような運用管理の必要がない。これはシステム管理者にとってうれしいポイントだ。
ネットワンシステムズは、クラウドサービスのWeb会議ツールを利用している。オフィス内であればカメラを利用して自身の映像も交えながら会議に参加したり、外出中であれば音声やチャットで参加したり、状況に応じた会議参加が可能だ。インターネットを利用する関係で、品質はビデオ会議に多少劣るが、十分な性能である。
さらに従来、技術的にビデオ会議とWeb会議を連携することが難しく、分断されていたが、これを連携して1つの同じ会議に参加できるクラウドサービスが登場してきている。これまでのビデオ会議システムは、専用サーバやゲートウェイ機器などの設備が必要なため、Web会議と連携するのが困難だったが、最新のクラウドサービスでは上記設備は一切不要となる。ビデオ会議もWeb会議と同様に、手軽に参加者が利用しやすいデバイス経由で、場所を問わずシームレスなコラボレーションを実現できる。
今後ますます、クラウドサービスが提供する仮想空間でのコラボレーションが身近になり、スマートデバイスを活用した簡単かつ迅速なコミュニケーションがスタンダードとなっていくだろう。
今回、ワークスタイル変革を実現するためにネットワンシステムズが導入したIT製品のうちコラボレーションツールを紹介した。次回は、その他のワークスタイル変革の具体例と、そこで使用しているツールについて紹介する。
著者プロフィール
塩屋晶子(しおやあきこ)
ネットワンシステムズ ビジネス推進本部応用技術部EUC・SDI開発チーム
コラボレーション(ビデオ)製品を担当。新製品の技術検証や各種ナレッジの展開といった社内推進業務、案件支援、顧客へのデモンストレーションなど啓発活動に携わっている。
小田中 俊博(おだなかとしひろ)
ネットワンシステムズ ビジネス推進本部応用技術部EUC・SDI開発チーム
2008年よりコラボレーション製品を担当。案件支援や、顧客への設計構築業務を実施。2015年よりモバイル関連業務に携わっている。
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