最後に、クラウド型ERP導入時にチェックしておくべきポイントを見ておこう。
クラウド型ERPを利用することで、システム運用や制度改正に合わせたアップデートなどの手間は掛からなくなる。一方で、使い方の習得や必要な機能を呼び出す方法など、新たな学習コストが発生する。
通常はサービスプロバイダーが有償で使い方までを含めた教育サービスを提供しているが、中にはユーザー企業のコスト削減を支援するために、eラーニングコンテンツを無償で提供しているところもある。いち早くサービスの使い方をマスターしたい企業は、能動的に勉強する方が得策だ。
クラウド型ERPサービスプロバイダーのサポート体制については事前に十分チェックしておく必要があるだろう。特に、個別の専門的な機能の操作までを自社内でサポートしきれない場合に、どのくらい「頼れる」のかは重要なチェックポイントになる。
例えば何かがあったときに、オンライン窓口からの問い合わせだけで十分なのか、利用者がいる地方や海外拠点でも対面のサポートが必要なのか、対応に日本語ネイティブスピーカーを希望するかどうかといった点でも実運用後に支障が出ないような現実的な判断が必要だ。
また、クラウド型ERPで標準化した業務プロセスの一部で、どうしてもカスタマイズを施したくなった場合、あるいはクラウドからオンプレミスに「戻す」ことを検討したい場合に相談する余地があるかどうかも、サービス選定の段階で詳細な要件を確認し、万一の際の見通しを立てておくべきだろう。
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