電話ボックスの中で会議を行う光景を日本中で見かける日が来るかもしれない。ブイキューブとレノボ・ジャパンはコミュニケーションブース「テレキューブ」を発売した。
電話ボックスの中で会議を行う光景を日本中で見かける日が来るかもしれない――。ブイキューブとレノボ・ジャパンは8月1日、「ビジネスパーソンが安心して働けるセキュアなコミュニケーションスペース」をコンセプトに、コミュニケーションブース「テレキューブ」の販売を開始を発表した。働き方改革を前進させる起爆剤として開発されたテレキューブ。同日には、その開発と普及を担う「テレキューブコンソーシアム」設立も発表されている。本稿では、お披露目の場となった記者発表会の内容を基に、テレキューブの説明および同コンソーシアム設立の背景などを紹介する。
テレキューブは、高い防音性を持った空間の中でテレビ会議などのITサービス活用を可能とするコミュニケーションスペースだ。利用者は、プライバシーが保護された環境でテレビ会議や電話応対の他、クラウドサービスを活用した作業を行うことができる。
ブイキューブ代表取締役社長の間下直晃氏は、今回発表したテレキューブについて「公衆電話ボックスの再来」と表現したが、まさに進化系電話ボックスのような様相を呈している。四方1メートル、高さ2メートルほどの空間の中には、レノボ・ジャパンが提供する超小型デスクトップPC「ThinkCentre M710q Tiny」を設置、それに搭載された「TELECUBE App」によって、テレビ会議サービス「V-CUBE ミーティング」と「Skype for Business」の利用が可能だ。
間下氏は、テレキューブ開発の目的を、テレワークに伴うコミュニケーション不足の課題を解決するためだと話した。
テレワークは企業の生産性を上げる手段として有効であると考えられる一方で、総務省調べによれば日本における導入企業の割合は全体の11.5%にとどまっているという(図1)。間下氏はその原因の1つとして、テレワーク導入に伴って従業員同士のコミュニケーション不足という課題が生じることを指摘した。
従業員が社外で業務を行うテレワークの場合、従業員同士のコミュニケーションをどうするかという問題が浮上する。例えば、在宅勤務の場合、自宅内に落ち着いて遠隔会議を行えるスペースを持つ人は少ないという。また、コワーキングスペースやカフェで作業を行う場合も、公衆マナーや企業情報の保守という問題から、遠隔会議を行うことは考えにくい。同様の問題は、オフィスでテレビ会議を行う際にも生じており、テレワーク勤務の人と社内で遠隔会議をしようとも、会議室が不足しているということが往々にしてある。
「場所を求めて、公園でテレワークをしている人も時折見かける」と語る間下氏。テレキューブは、こうしたテレワーク難民を救済し、落ち着いてコミュニケーションをとれる場所を提供すべく開発された。
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