購買や調達の際には、コスト管理の問題も発生する。「ナビタイムでは各部門やグループの購買状況を把握しきれていないために、同じ製品を重複して購入したり、選択肢の中で劣った製品を選んでしまうことが起きることが問題だった」と小嶋氏はコメント。また大阪大学では、発注権限を持った教員と一部販売業者の癒着によって、研究費用の不正利用が行われていた。
Amazon Businessは、購買レポート機能や承認ルール設定の機能を用意することで、上記のような問題を防ぐとしている。購買レポートでは、部門ごと、商品タイプごとに購買履歴などのレポートを出力可能。コスト管理が容易になるだけでなく、商品価格の妥当性を知りたい場合にも重宝する。また承認ルールの設定では、承認権限や承認が必要となる金額の下限などが設定できる。
「大阪大学では、独自の購買システムをAmazon Businessと連携させている。ECサイトとの取引を見える化し、経費の不正利用などをなくしたい」佐藤氏は話した。
小嶋氏はAmazon Businessに期待することとして、「なるべく低価格で購入したい」と話した。これに対し「法人価格での販売や、同一商品を複数購入する際の数量割引を適用した」と星氏は説明する。価格においては、個人向けには無かった「税別表示」にも対応したという。
また「価格の問題もそうだが、大学としては研究機器のラインアップを増やしてほしい」と話す佐藤氏には、「Amazonとして、今後専門領域に属する製品の品目を充実させていきたい」と応えた。
法人向けECサイトの分野では「アスクル」や「MonotaRO(モノタロウ)」が先行してサービスを提供しており、Amazon Businessはその後を追いかけることになる。「先発するサービスもあるが、Amazonを選ぶ理由は何か」といった声も上がる中、星氏は2億点以上の品目数や、数十万社を数えるAmazonマーケットプレイス上の事業者の豊富さを強みに挙げ、顧客のニーズに合わせてサービスの向上を目指していくと主張。「販売事業者にとっても、Amazon Businessを介することで国内外に商品を展開するチャンスが広がる」と締め括った。
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