Office 365とG Suiteを比較した際、導入の決め手になるのは何なのか? 「中国での利用」や「準拠法」「管理の手軽さ」「サービスの多さ」など、両サービスを比較した際のポイントを紹介する。
前回まで「Office 365」と「G Suite」の機能や管理面、価格などの違いを紹介してきたが、両製品ともにクオリティーが高く、甲乙が付けられない程に進化していると理解いただけたのではないだろうか。
では、自社に導入するとした場合、最終的にどちらを選択すれば良いのだろうか。業種業態や従業員数などによってどちらの製品が良いとは一概に言い切れないが、最終回の本稿は、独立系SIerである当社のフラットな視点で選定の目安となるヒントを紹介する。
一般的にOffice 365を選定する際にポイントとなるのは、「きめ細かい管理者設定」「データセンターの場所」「中国での利用」「準拠法」が挙げられる。
きめ細かい管理者設定
Office 365は管理者がユーザーやポリシーを管理して運用することに適している。詳細な設定や一括設定に対しては「PowerShell」を利用して設定できる。そのため、利用企業は情報システム部門に、Office 365を定常的に運用するだけの人員やスキルが確保されているのが理想といえる。
データセンターの場所
日本で契約した場合は、日本国内のデータセンターを利用するため、国外にデータを持ち出したくない企業には選定ポイントとなる。
中国での利用
Office 365は中国でも日本国内と同様にインターネット接続で自由に利用することができる(ただし「Power BI」については、利用不可)。G Suiteはそのままでは利用できず、VPNなどの追加の対策が必要になるため、ここではOffice 365の優位性が高いといえるだろう。
準拠法
有名な話ではあるが、Office 365は準拠法に日本の国内法が適用される。万が一、訴訟が発生した場合を考えると、準拠法がカリフォルニア州法のG Suiteに比べて手間もかからず安心といえる。
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