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5大RPA資格の取得方法やメリット&デメリット、試験内容や費用を徹底解説

» 2020年06月24日 10時00分 公開
[今井裕美RPA BANK]

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RPA BANK

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の普及により、RPAツールを仕事で利用する人や学ぶ人が増えている。一口にRPAツール使用経験者といっても知識やスキルレベルはさまざまだ。そこで信頼性を担保する1つの方法としてRPAの資格が注目されている。

 本記事では、RPAの資格を取得するメリットと、5大RPAツール「UiPath」「WinActor」「BizRobo! 」「Blue Prism」「Automation Anywhere」のツールベンダーが行っている個人向けの資格制度を紹介する。

■記事内目次

  • RPA資格は取るべき? そのメリットとデメリットは?
    • RPA資格を取得するメリット
    • RPA資格取得のデメリットは?
  • RPAの資格の種類は? 取得方法や試験費用を徹底解説
    • UiPathの資格種類と取得方法・試験費用
      • UiPath Certified RPA Associate
      • UiPath Certified Advanced RPA Developer
    • WinActorの資格種類と取得方法・試験費用
      • RPA技術者検定 アソシエイト
      • RPA技術者検定 エキスパート
      • RPA技術者検定 プロフェッショナル
    • BizRobo! の資格種類と取得方法・試験費用
      • BizRobo! 基礎検定(DS検定試験/DA検定試験)
      • BizRobo! 認定開発者検定
    • Blue Prismの資格種類と取得方法・試験費用
      • Blue Prism Developer
      • Blue Prism Professional Developer
      • Designing Blue Prism Process Solutions
      • Blue Prism ROM Architect
      • Designing a Blue Prism Environment
      • Installing and Configuring a Blue Prism Environment
    • Automation Anywhereの資格種類と取得方法・試験費用
      • Automation Anywhere Certified Advanced RPA Professional
      • Automation Anywhere Certified Master RPA Professional
  • RPAの資格の勉強方法は?
    • RPA資格を研修や講座で勉強する
    • RPA資格を参考書やテキストで勉強する
    • 実務でBotを作成する

RPAの資格とは?

 RPAの資格とは、各ベンダーが実施しているRPAツール単位での認定資格を意味する。RPA全般の知識やスキルを認定する資格制度は存在しない。(2020年6月時点)

RPA資格は取るべき? そのメリットとデメリットは?

 では、RPAの資格を取得するメリットとは何か。また、懸念点は何か。資格を取得する前に確認しておくことで、より満足度の高いメリットが得られるだろう。

RPA資格を取得するメリット

 ベンダーのお墨付きをもらうことでRPAツールの開発スキルにおいて社内外の信頼を獲得できる。さらに、資格手当がある企業であれば、資格取得がそのまま収入アップとなる可能性もある。また、これからRPAを学ぶ人や学習途中の人にとっては、資格取得を目指すことでモチベーションを保つことができ、資格を取得することでスキルへの自信も付く。

RPA資格取得のデメリットは?

 資格取得には、勉強にかける時間と受験料という2つのコストがかかる。また、資格を取得したからといって仕事が保証されるわけではない。さらにRPAツールは進化が早いため、せっかく資格を取得しても、製品のバージョンアップにより重要度が薄れる可能性もある。

RPAの資格の種類は? 取得方法や試験費用を徹底解説

 ここでは5大RPAツールといわれる「UiPath」「WinActor」「BizRobo! 」「Blue Prism」「Automation Anywhere」の各ベンダーが実施している個人向けの認定資格を紹介する。

UiPathの資格種類と取得方法・試験費用

 UiPath社が「UiPath Certified Professional」を実施しており、レベルに応じた2つの認定資格がある。なお、受験言語は英語のみ。

・UiPath Certified RPA Associate

 UiPath RPA プラットフォームを使用した基礎的な技術的知識とスキルを認定する。

試験時間:90分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :US$150

合格特典:証明書とデジタルバッジを取得できる。

・UiPath Certified Advanced RPA Developer

 「UiPath Certified RPA Associate」の上位資格。複雑なRPAソリューションの設計や開発における、より深いレベルの専門知識を認定する。

試験時間:120分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :US$200

合格特典:証明書とデジタルバッジを取得できる。

WinActorの資格種類と取得方法・試験費用

 株式会社NTTデータが「RPA技術者検定」を実施しており、レベルに応じた3つの認定資格がある。

・RPA技術者検定 アソシエイト

 WinActorの基本的な知識や操作方法、シナリオ作成の基本知識が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :50問

試験時間:60分

合格基準:原則として、正答率7割以上

受験料 :7,150円(税込)

合格特典:認定証が発行される。また、名刺などに記載できる。

・RPA技術者検定 エキスパート

 「RPA技術者検定 アソシエイト」の上位資格。WinActorに関する深い知識やシナリオ変更・運用保守対応などの実務に必要な知識が基準に到達していることを認定する。

試験形式:実技試験

出題数 :5問

試験時間:120分

合格基準:原則として、正答率6割以上

受験料 :16,500円(税込)

合格特典:認定証が発行される。また、名刺などに記載できる。

・RPA技術者検定 プロフェッショナル

 「RPA技術者検定 エキスパート」の上位資格。2020年6月時点で準備中となっており、詳細は公開されていない。

 また「RPA技術者検定 アソシエイト」の前段として、WinActor初学者向けの「RPA 入門講座」という無料の多肢選択式試験も用意されている。

BizRobo! の資格種類と取得方法・試験費用

 RPAテクノロジーズ株式会社が「BizRobo! 検定」を実施している。「BizRobo! 検定」ではレベルに応じた2つの試験がある。

・BizRobo! 基礎検定(DS検定試験/DA検定試験)

 DS検定試験では、DS(Design Studio)開発を始めるための最低限必要な知識があることを証明する。DA検定試験では、DA(Device Automation/Desktop Automation)開発を始めるための最低限必要な知識があることを証明する。

試験形式:4択問題

出題数 :40問

試験時間:40分

合格基準:正解率70%以上

受験料 :無料

合格特典:1種類に合格するとBizRobo! LAND Communityサイトのアイコンの枠が銀色になる。2種類に合格するとBizRobo! LAND Communityサイトのアイコンの枠が金色になる。

・BizRobo! 認定開発者検定

 「BizRobo! 基礎検定」の上位検定。実際にロボットを作成する技能について認定する。

試験形式:実技試験

出題数 :1問または2問

試験時間:240分

合格基準:50点以上 ※獲得点数により取得資格が異なる。

     50点〜75点 BizRobo! 認定開発者(スペシャリスト)

     76点〜100点 BizRobo! 認定開発者(プロフェッショナル)

受験料 :¥27,500(税込)

合格特典:名刺へ記載でき、さらにBizRobo! イベントで特典を受けられる。

Blue Prismの資格種類と取得方法・試験費用

 Blue Prism社が「Blue Prism Certification」を実施している。区分やレベルに応じた6つの認定資格があり、Blue Prism Developer、Blue Prism Professional Developer、Designing Blue Prism Process Solutionsのみ日本語で受験可能。

・Blue Prism Developer

 実プロジェクトへの参画に必要なBlue Prism開発の概念と機能についての理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :60問

試験時間:60分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :12,420円(税込)

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

・Blue Prism Professional Developer

 「Blue Prism Developer」の上位資格。高度な例外処理とワークキュー、開発のベストプラクティス、ブラウザの自動化、Javaの自動化、資格情報の管理とログインエージェント、Webサービス、メインフレームの自動化、Surface Automationに関する理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :50問

試験時間:60分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :12,420円(税込)

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

・Designing Blue Prism Process Solutions

 「Blue Prism Developer」の上位資格でソリューション デザイナー向け。スケーラブルで安全、かつ効率的なBlue Prismプロセスソリューションの設計手法と原則についての理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :27問

試験時間:60分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :12,420円(税込)

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

・Blue Prism ROM Architect

 ロム アーキテクト向け。Blue Prism ROMの概念と配信の原則についての理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :60問

試験時間:60分(英語が公用語ではない国からの受験者は90分)

合格基準:70%以上のスコア

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

・Designing a Blue Prism Environment

 テクニカル アーキテクト向け。アーキテクチャコンポーネント、サポート要件、およびスケーラブルで安全なBlue Prismエンタープライズアーキテクチャを支える設計上の考慮事項についての理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :45問

試験時間:75分(英語が公用語ではない国からの受験者は105分)

合格基準:バージョン 5.0は80%以上のスコア、バージョン 6.0は70%以上のスコア

受験料 :14,850円(税込)

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

・Installing and Configuring a Blue Prism Environment

 インストレーション エンジニア向け。Blue Prismのすべてのアーキテクチャコンポーネントを導入し、適切に実装するための構成方法についての知識と理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :45問

試験時間:60分(英語が公用語ではない国からの受験者は90分)

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :12,420円(税込)

合格特典:デジタルバッジを取得できる。

Automation Anywhereの資格種類と取得方法・試験費用

 Automation Anywhere社が「Automation Anywhere Certification」を実施しており、レベルに応じた2つの認定資格がある。

・Automation Anywhere Certified Advanced RPA Professional

 製品概要およびサーバー機能・クライアント機能について理解度が基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式

出題数 :40問

試験時間:60分

合格基準:70%以上のスコア

受験料 :US$50 ※2020年6月30日まで無料キャンペーン中

合格特典:デジタル認定証が発行される。

・Automation Anywhere Certified Master RPA Professional

 「Automation Anywhere Certified Advanced RPA Professional」の上位資格。製品概要およびサーバー機能・クライアント機能について理解度およびBot(タスクや処理を自動化するプログラム)作成スキルが基準に到達していることを認定する。

試験形式:多肢選択式+実技試験

出題数 :多肢選択式60問、実技試験3問

試験時間:多肢選択式は60分、実技試験は2週間

合格基準:多肢選択式は80%以上のスコア、実技試験は75%以上のスコア

受験料 :US$100 ※2020年6月30日まで無料キャンペーン中

合格特典:デジタル認定証が発行される。

RPAの資格の勉強方法は?

 RPAの資格を取得するには、どのように勉強すればよいのか。3つの方法を紹介する。

RPA資格を研修や講座で勉強する

 各ベンダーやパートナー企業が、認定資格を取得するために学ぶべき内容をまとめたe-Learningや研修を実施している。e-Learningは無料のものも多く、取り組みやすい。有料の研修は費用はかかっても短期間でポイントをおさえて学ぶことができ、短期間での資格取得を目指せる。 

RPA資格を参考書やテキストで勉強する

 RPAツールの基本機能や実践方法などについてまとめた書籍が出版されている。中には過去問が掲載されている書籍もあり、過去の出題傾向を把握することもできる。

実務でBotを作成する

 実際に手を動かし座学で学んだことを実践することで理解が深まる。特により深い知識やスキルを認定する上位資格を目指すには実践が欠かせない。

 RPAの資格は認定資格であるため資格取得により仕事が保証されるわけではないが、キャリアの選択肢を広げる1つの手段だ。せっかくRPAを学び使えるようになったのであれば、その証として資格取得に挑戦することをおすすめしたい。

(取材・文・デザイン/今井裕美 構成/RPA BANK編集部)

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