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棚卸しの「脱目視、脱Excel」でもお高いんでしょう? いいえハンディも不要です

現場の担当者が目視で数えて管理者がデータを手打ち入力する「アナログ棚卸し」から脱却したくても、高いコストは負担できない。そのような店舗に向けて、無料のスマートフォンアプリが公開された。

» 2020年12月18日 09時00分 公開
[キーマンズネット]

 資産の棚卸しは、企業の経営に影響する重要な業務だ。そのため高い精度が必要であるにもかかわらず、いまだに「現場の担当者が目視で現物を数えて管理者が数値を手入力する」というフローが残っている企業もある。

 従来型の「目視カウント、手入力」の方法では、カウントや入力の際にミスが起きやすい。また、作業の進捗(しんちょく)は作業担当者の完了報告でしか把握できないため、途中の状況がつかみにくい。さらに、報告された資産の数字だけでは現場の実態が分からず、資産リストの正確性も不明だ。しかしデジタル化したくても、店舗ごとにシステムを導入したり作業者の数だけ端末を支給したりするコストは小さくない。

棚卸しアプリによる作業イメージ(出典:パーソルAVC)

 そのような棚卸しの課題に対して、無料のスマートフォンアプリを利用するシステムが発表された。 

無料のスマホアプリと既存サーバに導入できるシステムで棚卸しをデジタル化

 パーソルAVCテクノロジーは2020年12月17日、棚卸し管理システム「Smart Tracer」を開発したと発表した。Smart Tracerは、資産に貼り付けた2次元コードを専用のスマートフォン向けアプリを使って読み取ることで棚卸し作業ができ、目視確認によるミスや手間を軽減する。

 Smart Tracerは、資産を可視化する棚卸し管理システム。既に使用中のクラウドやオンプレミスサーバに導入できる。

 棚卸し作業には、スマートフォンの専用棚卸しアプリを使う。各資産に貼り付けた2次元コードをアプリで読み取り、写真を撮影する。パーソルAVCテクノロジーによると、棚卸しにかかる時間は、従来の目視による作業では資産リストと現物の照合やデータ入力に1件当たり約54秒かかっていたのに対して、Smart Tracerのアプリで2次元コードを読み取り写真を撮影すると約26秒に短縮できるという。

一般的な棚卸し作業とSmart Tracerの比較(パーソルAVC調べ)

 Webアプリケーションとして作られている管理アプリでは、棚卸しの進捗状況や資産情報がリアルタイムに確認できるほか、資産の検索やスマートフォン用アプリを使うユーザーの管理、資産に貼り付ける2次元コードの出力ができる。CSVファイルによって、資産リストを読み込んだり書き出したりできる。読み取った資産は、スマートフォンの位置情報と撮影した写真によって確認可能だ。

 パーソルAVCテクノロジーは、資産の棚卸し作業はシステム化されていないことが多いと指摘する。資産を目視確認によって現物照合して記帳し、管理者がデータとして入力していると、現物照合やデータ入力に手間がかかるだけでなく、計数ミスが発生することがあった。

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