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人気急上昇アプリランキングが一気に刷新、2020年に起きたSaaS界隈の変化 調査結果

業務用アプリケーションの利用動向調査結果が発表された。2020年はテレワーク普及を背景にアプリケーションの需要が大きく変わり、多くの企業が「Microsoft 365」に他社製品を組み合わせて使っていることが分かった。

» 2021年02月01日 12時00分 公開
[キーマンズネット]

 Okta Japanは2021年1月29日、業務用アプリケーションの利用動向に関する年次調査の結果を発表した。Oktaは米国のサンフランシスコを本社に置く企業向けアイデンティティー管理のサービスプロバイダーだ。調査は2019年11月1日から2020年10月31日までの期間を対象に、同社が提供するインテグレーションサービス「Okta Integration Network」を利用する企業の、匿名化されたデータに基づいて実施された。6500を超える業務アプリが調査対象になった。

 Oktaは本調査によって、業務アプリの利用分析から組織や人々の働き方がどのように変化したのかを把握できるとしている。

最も利用顧客が多いのが「Microsoft 365」、8割超の企業が他社アプリと組み合わせて利用

 2020年に最も利用顧客数が多かったアプリケーションは、2019年同様Microsoft 365だった。2位は「Amazon Web Services」(AWS)、3位は「Salesforce」で、2位と3位は2020年と逆転した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として業務のリモート化が進んだ影響で、「Zoom」(5位)や「DocuSign」(8位)は2020年よりも上位に入った。

最も利用された業務用アプリケーション(出典:Okta)

 Oktaは、Microsoft 365を利用している企業がMicrosoft製品のみを使っているのか、他社製アプリケーションと組み合わせて使っているのかを毎年調べている。それによると、他社製アプリケーションと組み合わせて使っている企業の割合は年々上がっており、今回の調査では81%以上を占めた。6種類以上のアプリケーションとMicrosoft 365を組み合わせて使っている割合も約10%に上った。

 例えば、Microsoft 365と併せてZoomを導入している割合は42%、「Slack」を導入している割合は32%、「Google Workspace」は36%だった。Oktaは「リモートで作業する際の柔軟性と機能性の重要性が高まっている」と分析する。

Microsoft 365と組み合わせて使われているアプリ(出典:Okta)

利用者急増の注目アプリが大幅刷新、1位は対前年比341%増

 利用者数が急増したアプリケーションを見ると、1位は「Amazon Business」で、利用者数は対前年比341%増だった。Oktaはこの理由を、在宅での執務に必要な事務用品などを購入できるオンラインストアを構築する需要などが伸びたためと見ている。2位はホワイトボード機能などを提供する「Miro」で、同301%増になった。3位はチームでデザイン設計などに使う「Figma」で、同236%増だった。

 前回の調査によれば、2019年に利用者が急増したのは「Snowflake」や「Atlassian Opsgenie」「Google Cloud Platform」「Splunk」「Looker」「Envoy」などだった。今回の調査では、Snowflakeを覗いた9種類でランキングが刷新されている。

 Oktaはこれらの変化について「リモートワークを推進するため、在宅ワークスペースやバーチャルなコラボレーションを支援するアプリの利用が増えた」と分析している。

2020年に利用者が急増したアプリトップ10(出典:Okta)

 同ランキングに入ったトップ10のうち、4種類がセキュリティ関連のアプリだった。2020年に最も人気があったネットワーク向けセキュリティツールは、Palo Alto Networksの「GlobalProtect」で、利用者数は対前年比75%増だった。また、最も使われた顧客認証要素として、Oktaは「Okta Verify認証」を、最も人気のあった開発ツールとしては「Atlassian Product Suite」を挙げている。

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