従業員数が多い企業ほどオンライン商談を導入している率が高い。一方で導入を「したくない」と回答する企業は従来通りのコミュニケーションを重視する様子が見えた。
オンライン商談ツールは、もともと遠隔地と商談するためのものだった。しかし2020年のコロナ禍以降、感染のリスクを下げるための非対面コミュニケーションの手段として普及する。
エン・ジャパンが2021年2月3日に発表した調査結果によると、オンライン商談を導入した企業の82%が、導入時期を「2020年3月以降(新型コロナウイルス感染症の流行後)」と回答した。一方でオンライン商談を導入していない企業は、感染リスクの中でも対面コミュニケーションを重視する傾向が見えた。
本調査は、エン・ジャパンが運営する人事向け総合情報サイト「人事のミカタ」で実施したもので、2020年10月28日〜11月24日の期間で374社から有効回答を得た。
調査結果によると、オンライン商談を「導入している」企業の割合は65%だった。特に「IT・インターネット関連」(92%)や「広告・出版・マスコミ関連」(85%)「コンサル関連」(83%)での導入率が高かった。従業員数が多いほど導入率が高い傾向にあり、49人以下の企業は導入率が56%で最も低く、1000人以上の企業は同74%で最も高かった。
オンライン商談を導入した企業に導入のメリットを聞いたところ「新型コロナウイルス感染拡大に対応できる」(87%)、「移動・出張等のコスト削減ができる」(85%)と回答した割合が高かった(複数回答)。一方でデメリットには「通信トラブルの恐れ」(61%)や「コミュニケーションの難しさ」(59%)といった声が寄せられた。
オンライン商談を導入していない企業にその理由を聞いたところ「対面でないと商材・サービスの案内が難しい」(61%)や「機材・通信環境が整っていないため」(40%)(複数回答)。また、上司や社内の承認が得られなかったり、取引先に対面コミュニケーションを求められてオンライン化が難しいといった声も寄せられた。
オンライン商談を導入していない企業に今後の導入意向を聞くと、「導入したい」と「導入したくない」と回答した割合はどちらも37%で同率だった。「導入したい」企業からは、「オンライン商談を取り入れることによって、商談機会が増えるのであれば有意義」や「まだ実績に結び付かない不明瞭な点が多く検中だが、時流により導入せざるを得ない」といった声が聞かれた。それに対して「導入したくない」企業からは、「遠隔地での商談ならオンラインで構わないが、移動可能な距離ならば現地で現物を確認した方が、双方納得した取引になる」や「対面でないと、営業マンの話が伝わらない」といった意見があった。
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