経済産業省は、取引透明化法の規制対象となる事業者を指定した。
経済産業省は2021年4月1日、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(取引透明化法)の規制対象となる事業者を発表した。Googleや楽天グループなど5社が「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定された。
取引透明化法は、デジタルプラットフォームの運営事業者と利用事業者との間で取引の透明性と公正性を確保するために必要な措置を講ずることを目的に2020年5月に成立し、2021年2月1日に施行された。特に取引の透明性や公正性を高める必要性の高いデジタルプラットフォームの提供事業者を「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定し、規律の対象とするよう定めている。
物販総合オンラインモールの運営事業者では、アマゾンジャパンと楽天グループ、ヤフーが指定された。アプリストアの運営事業者としては、AppleおよびiTunes、Googleが指定された。
特定デジタルプラットフォーム提供者に指定された事業者は、取引条件などの情報開示と自主的な手続や体制の整備が義務付けられる。さらに、実施した措置や事業の概要について、毎年度自己評価をした上で報告書を提出する必要がある。これらの措置により「規約の変更や取引拒絶の理由が示されない」といったデジタルプラットフォームの利用事業者に不利益が生じるような問題の発生を抑制する。
また経済産業省は、デジタルプラットフォームを利用する事業者に向けて、取引上の課題などに関する悩みや相談に専門の相談員が無料で応じる相談窓口を設置した。これは、取引透明化法の実効的な運用を図るための取り組みで、弁護士の情報提供や費用補助、利用事業者向け法律相談会の実施などを支援する。同省では、相談窓口を通じて得られた事業者の声を基に取引上の課題を抽出し、関係者間で共有することを通じて、取引環境の改善を目指すとしている。
なお、オンラインモール利用事業者向けの窓口は、日本通信販売協会、アプリストア利用事業者向けの窓口はモバイル・コンテンツ・フォーラムとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。