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» 2021年09月29日 10時00分 公開

Google CloudとAutomation Anywhereが連携――ハイパーオートメーションの威力とは

Automation AnywhereはGoogle Cloudとの業務提携を発表した。これによって企業が得られる価値とは何か。Google CloudのCEOが語った。

[元廣妙子キーマンズネット]

 2021年3月、Automation AnywhereはGoogle Cloudとの業務提携を発表した。これによってAutomation 360プラットフォームがGoogle Cloudで利用できるようになり、業務自動化の可能性が広がると期待されている。

 2021年8月31日、Automation Anywhere主催のイベント「Imagine Digital Japan 2021」が開催された。「Google CloudとAutomation Anywhereを組み合わせたハイパーオートメーション時代の威力」と題されたセッションにGoogle Cloud CEOのトーマス・クリアン(Thomas Kurian)氏が登壇。

 業務提携の重要な要素として「顧客に競争優位性を提供するために連携するというビジョンを共有していること」「ビジョンを可能にする両社間の深い技術的協力関係があること」「両社の市場開拓部門が連携して顧客に対応できること」を挙げるが、2社が手を結ぶことで何を目指すのか。企業が得られる価値とは何か。

Google CloudとAutomation Anywhereが手を結ぶ意義

 本セッションは、Automation Anywhere CEOのミヒール・スクラ(Mihir Sukla)氏がクリアン氏に質問をしながら進められた。冒頭でクリアン氏は、両社が業務連携に至った背景について企業が社内プロセスの効率化や顧客対応プロセスのオンライン化、データ活用を求めていることを話した。

 「買掛や注文管理などの社内プロセスを効率化すれば労力を高付加価値な作業に振り向けられる。金融機関の融資に代表されるような顧客対応プロセスをオンライン化すれば、スピードと効率が劇的に向上する。これらとデータ活用の実現を助けることがプロバイダーに求められていることだ」(クリアン氏)

 Google Cloudが実践してきたAI(人工知能)や機械学習への取り組みとAutomation Anywhereによる自動化が組み合わさる意義については、次のように語る。

 「Google CloudはAIが理解できることを、単語、1つの文章、文章全体というように進化させてきた。コールセンターの業務プロセスを自動化するには、1つの文章だけでなく、文脈を理解しなければならない。当社のこうしたデータへの理解と、Automation Anywhereによって自動化の幅が広がる」(クリアン氏)

 同氏はAutomation Anywhereについて、クラウドで利用することに最適化されていること、さらにAIによる予測分析エンジンや文字認識機能などが実装されていることの優位性などを取り上げ、データの理解に長があるGoogle Cloudと組み合わさることで、業務プロセスの合理化や効率化が可能になると主張した。

競争優位性を決めるたった一つの要素

 業務のプロセスの効率化はどのようなステップで進むことが理想的か。クリアン氏は、「自動化業務の特定」「プロセスマイニングツールなどの活用による、自動化に適したフローの把握」「自動化したプロセスの分析と改善」という3つのステップを示した。

 「どの業界であっても、最初のステップはプロセスの自動化だが、次のステップとして自動化したプロセスを分析し、効率を向上させる必要がある。今回の提携の目的は、最初のステップを実現すること、その上でその後のステップを検討するためのプラットフォームを提供することにある」(クリアン氏)

 こうして実現した効率化によって得られるメリットはさまざまだが、クリアン氏は最も重要なものとして「Time to Value(顧客が製品の価値を実感するまでにかかる時間)を短縮することだ」と主張する。

 「どの業界でもスピードは競争優位性につながる。銀行の融資業務であれば、融資を決定するまでの時間を短縮することが競争力につながるだろう。これまで、効率化はコスト削減のために実施するものだと考えられていたが、今後は市場投入までの時間や顧客とのタッチポイントにおける価値提供までの時間を短縮するために追及すべきものだ。業務プロセスの完全な自動化によってこそ、効率化によるTime to Valueの短縮を実現できる」(クリアン氏)

 ここでスクラ氏から、両社のソリューションを活用する企業の事例が紹介された。自動販売機を提供するある企業では、自動販売機が故障した際、その情報を入手して問題を解決するまでにおよそ48時間かかっていた。現在は「Google Voice」という電話サービスとGoogle Cloudの音声認識技術、Automation AnywhereのRPAを活用し、数秒で問題を解決できるようになった。

(左)Google Cloud トーマス・クリアン氏 (右)Automation Anywhere ミヒール・スクラ氏

Business Process as a Serviceの威力

 なお講演でクリアン氏は、GoogleとAutomation Anywhereが目指す「Business Process as a Service」のコンセプトについても説明している。

 「Business Process as a Serviceは、2つの要素がある。Google Cloudでインフラを自動化し、Automation Anywhereのプラットフォームでインフラやアプリケーションを抽象化することだ」(クリアン氏)

 これはすなわち、Google Cloudを利用することで、サーバの管理やソフトウェアのパッチ適用といったインフラ運用の作業を外部化し、Automation AnywhereのRPAによってアプリケーションの作業を隠ぺいすることを指す。

 最後にクリアン氏は「成功は企業ごと、業界ごとに定義が異なる。今回の提携は、社内の業務であれ顧客対応であれ、仕事の在り方を劇的に変革する」と強調し、セッションを締めくくった。

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