AWSは、初心者から高度IT人材、大企業から小規模事業者まで、さまざまなユーザーによる活用を見込んだ充実の学習コンテンツを強みとする。AWS活用「初めの一歩」を踏み出すにあたって何から学べばよいか。
「Amazon Web Services」(以下、AWS)は企業規模や業種を問わず広く利用されており、多種多様なユーザーの活用を促す学習コンテンツの豊富さも強みとする。
しかし、AWSは人気のサービスであるが故に関連する情報が非常に多く「何から手を付ければいいのか分からない」といった状況に陥りかねない。そのようなユーザーに向けて、アマゾンウェブサービスジャパンのテクニカルトレーナーが「5つの学習ステップ」と「12の学習サービス」を紹介した。本稿では各学習段階の目安と学習サービスの狙い、得られる知識やスキル、有効活用する方法などを解説する。
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2022年5月25〜26日にかけて開催されたAWS Summit Online 2022に登壇したテクニカルトレーナー生出拓馬氏は、トレーニングサービス本部でAWS研修の講師やeラーニングコンテンツの提供を担う。同氏はウェビナー「AWS の学習コンテンツを活用して初めの一歩を踏みだそう!」の中で、同社が提供する学習コンテンツを紹介した。
AWSはサーバやネットワーク、ストレージ、機械学習、IoTといった200超のサービスを提供し、2020年のリリースは2757回に上る。それらの機能の9割超はユーザーからの要望に応えて実装したものだ。ユーザーのニーズに合わせて進化を続けるAWSを効果的に学べるよう、同社は「ドキュメント、ブログ、資料集」といったテキストコンテンツ、実際に手を動かしながら学習するハンズオンコンテンツ、ウェビナーなどの動画コンテンツ、講義形式のトレーニングや認定資格といった学習コンテンツを提供する。
生出氏は学びの段階を5つに分けて学習コンテンツの使い方を解説した。IT用語をほとんど知らない初学者からビッグデータや機械学習について学びたいエンジニア、AWS認定資格の取得を目指す学習者まで、順を追って以下に紹介する。
まず「クラウドという名前は聞いたことがある」「いきなり技術的な話をされてもついていけない」という学習者に向けて、「そもそもAWSとはどのようなものなのか」を説明したものが以下の3つだ。
以下は、AWSの特徴を示した10のキーワードだ。AWSのWebサイトでは、図表を使ってオンプレミスとの比較などが分かりやすく解説されている。
1. 初期費用ゼロ/低価格
2. 継続的な値下げ
3. サイジングからの解放
4. ビジネス機会を逃さない俊敏性
5. 最先端技術をいつでも利用可能
6. いつでも即時にグローバル展開
7. 開発速度の向上と属人性の排除
8. 運用負荷軽減と生産性の向上
9. 高いセキュリティを確保
10. 日本語での 24 時間サポート
先行するユーザーの事例から、AWSを活用するメリットや効果を把握できる。大企業、中堅・中小企業、公共機関、スタートアップなどの事業形態や業種、ユースケースなどによって細かく検索でき、自社のロールモデルを探せる。
分野ごとに分かれた短い動画コンテンツ群で「AWSの利用を始める際に最低限知っておくべきこと」や「ネットワークについて知っておくべきこと」などが分かる。
特に生出氏が推奨するのがIT初学者向けの「Cloud Practitioner Essentials for Entry」だ。活用事例の中に出てくるIT用語や専門用語が分からないユーザーに向けたウェビナーで、IT用語の補足説明を受けながらAWSの概要を学べる。同コンテンツは全体でおよそ3時間に上るため、トピックごとに区切った視聴が推奨される。
ステップ1でITに関する基礎学習が終わったユーザーが「もう少し広い範囲でAWSのサービスを浅く、広く学べる」(生出氏)のが、以下の2つのコンテンツだ。
AWSの基礎を学ぶおよそ3時間のウェビナーで、AWSが提供するさまざまな分野のサービス概要を把握できる。AWSのテクニカルインストラクターが主導してコンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワークといったAWSの主要なサービスを段階的に学べる。エンジニアに限らず、営業職やプリセールス職、学生なども学習者の対象とする。
eラーニングコンテンツをまとめたAWSの学習プラットフォームで、学習は無料だがユーザー登録は必要となる。
日本語のコンテンツは200程度ある(2022年5月時点)が、その中で生出氏が「AWSについて全体的に学べるコース」として推奨するのが「AWS Cloud Practitioner Essentials (Japanese) 日本語実写版」だ。技術的な内容にも踏み込む6時間のコンテンツで、「AWS 認定クラウドプラクティショナー試験」(後述)の準備にも役立つ。
AWSクラウドの概要を理解した上で自社のビジネスに関連するサービスや分野についての知識が必要になってきたユーザーに向けては、以下の3つの学習コンテンツがある。
各サービスの詳細情報がテキストやPDF、およそ60分以内の動画で提供されている。
先述したAWS Skill Builderには各サービスにフォーカスしたコンテンツも掲載されている。学習コンテンツの検索に当たっては、まずフィルター機能を使った言語選択が必要となる。日本語を選んで検索ボックスにキーワードを入れれば関連するコンテンツが表示される。
学習効果を上げるために実際に手を動かしたいユーザーに向けてハンズオンの手順を提供するコンテンツ群だ。「AWSアカウントの作り方」や「アカウント作成後にすぐ実施すべきセキュリティ対策」といった「初めの一歩」で必要な、具体的な作業を学べる。
ステップ3まででAWSの概要を学び、具体的な手順や知識を得たユーザーが次に求めるのが、最新のイノベーションに関する情報だ。基礎を納めたユーザーが学び続けるために最新の情報をどう集めるべきか、それを支援するコンテンツ群が以下になる。
新サービスや新機能の発表をまとめたもので、RSS購読にも対応する。
新着情報やイベントの告知を担う。
新サービスのより詳細な解説などが掲載されている。生出氏が推奨するのは毎週更新される「週刊AWSシリーズ」で、掲載週に発表された新機能や新サービスについてまとめられているため、毎日ニュースを追わなくても最新の情報を得ることができる。
開発者向けの情報をまとめたWebマガジンで「ベストプラクティスの紹介」や「やってみた」系など、幅広い記事が提供される。例えば「猫の画像を使ってあそぶブラウザゲームを作ろう! AWS Cloud Development Kit(AWS CDK)で簡単デプロイ」は、AWSの提供するツールやサービスを使って簡単なゲームを作ってみる記事だ。
AWSに関する情報を継続的に追えるようになったユーザーに対する「プラスアルファの情報」には、以下の2つのサービスがある。
AWS認定インストラクターによる有償の集中トレーニングで、1〜4日間かけて「講義」「ハンズオンラボ」「受講者どうしのディスカッション」などに取り組む。2022年5月時点では全てオンライン形式の開催になり、企業の研修プログラムに組み込んだり、個人で申し込んで受講したりといった利用が可能だ。
どの講義を選べば良いか迷う受講者に向けては、builders.flashが「AWS 認定インストラクターによる有償トレーニングコースの選び方」で、どのような基準でクラスルームトレーニングを選んでいくと良いかを紹介している。目的と現状に合わせたクラス選びの参考になるだろう。
これまでの学習コンテンツで習得した知識やスキルを客観的に証明するために有効なのが「AWS認定資格」だ。レベルや分野に応じて複数の認定資格があり、最も基礎となるのが「クラウドプラクティショナー試験」だ。
資格取得に当たっての情報収集は各認定資格のWebページがあり、概要や出題範囲、サンプル問題などが掲載されている。
試験準備ウェビナーや認定資格向けコンテンツ、無料の模擬問題集も提供されている。
ここまで紹介した学習サービスを改めて以下にまとめる。
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