人事担当者を対象に実施した「Identity of HR Survey」では、人事部門の課題や現状が見えた。2022年に人事部の最重要課題は「予算の制約」から、テレワークに起因する「あの問題」に変わったという。
人事の仕事は常に変化している。コロナ禍では、人事によるリーダーシップが大いに求められた。労働市場で雇用の問題を解決し、未知数なテレワークの中で企業文化の維持に努め、戦略的なビジネスパートナーとしてその役割を高めてきたのではないか。
しかし、人事の仕事は孤独だ。人事担当者は、職場に同僚がおらず社外のネットワークに依存することが多い。また、従業員や企業のリーダーに自分の価値を示すことに苦労するケースもよくある。
人事担当者がどのように仕事に取り組み、組織でどのように見られているかを知るために、HR Diveは第2回「Identity of HR Survey」で人事担当者の課題や傾向について調査した。彼らの提言は、このページの下部にあるリンク先の記事で紹介している。
HR Diveは、回答者に仕事の優先事項と課題の両方を尋ねた。第1回の年次調査では、優先事項と課題は双方とも「予算の制約」だった。だが、2022年にはこれがテレワークに起因する「あの問題」に変化した。
2022年は「採用」が最も高い回答率を示した。何年もサバイバルモードにあった多くの企業が、再び成長を求めていると関係者は語っている。労働市場の逼迫と相まって、採用が最重要課題であることは当然のようだ。回答者は、採用者の入社時に支払われる一時金や学生ローンの返済など、さまざまな戦略を駆使していることを示した。
しかし、パンデミックに起因する課題については、「文化」が回答者の上位を占めた。調査結果によると、あらゆる規模の企業が柔軟な勤務形態を受け入れ、従業員が世界中で非同期的に働く中で、人事部はいかにしてポジティブな文化を作り、維持するかに頭を悩ませている。
人事担当者は、戦略的パートナーとしての役割を求められることが多くなり、特に人材獲得競争では、何かを犠牲にしなければならなくなった。多くの人にとって、それは給与や福利厚生の管理業務だ。回答者は、この1年間に人材派遣会社やエグゼクティブリクルーターに依頼することも多くなったとしている。
ある関係者は、人事部の戦略的な位置付けが高まったことは、企業の人事専門家を採用するための動きが緩慢であったり、苦労していることを示していると、HR Diveに語った。アウトソーシングは、そのギャップを埋めるために使用されることがある。
人事部の戦略的位置付けが高まっているにもかかわらず、人事部にはまだPRの問題があると、別の関係者は述べる。調査結果もそれを裏付けている。回答者は、人事部の価値を証明するための大きな動きは期待できないと回答している。前年比での変化は小さいが、回答者は従業員からの評価は2021年よりやや高く、会社のリーダーからの評価はやや低いと答えている。
これに対し、人事部はコミュニケーションとストーリーテリングを改善する必要があるかもしれない、と指摘する。企業の「灯台」として、他の人はその機能を当然だと思いがちだ。しかし、人事部は不確実な時代にも常に存在し、従業員や雇用者の道しるべとなっているという。
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