リリースからわずか1週間で100万ユーザーを突破した人気AIチャット「ChatGPT」。ユーザー登録さえすれば無料でも利用可能だ。そんなChatGPTに関する、少し怪しい話が浮上した。
2022年11月30日にリリースされて、大きな話題を呼んだAIチャット「ChatGPT」。2023年2月7日には、Microsoftの検索エンジン「Bing」にChatGPTの機能が搭載されて話題になった。あまりに多くのユーザーが使いすぎたために、2023年2月17日には利用制限が設けられる事態となった。
そんな今話題のAIチャットを使ってみようとしたら、突然請求が……。無料でも使えるはずなのに、どうして?
「ChatGPT」は、OpenAIの公式Webサイトでユーザー登録さえすれば誰でも利用可能だ。言語モデル「GPT-3」が高性能であることはもちろん、無料で利用できることも多くのユーザーを獲得している理由の一つだろう。2月には、ChatGPTの有料版「ChatGPT Plus」の提供が始まった。
無料でも使えるはずのChatGPTだが、その機能を使って不当に料金を請求する有料アプリが登場したという。この件について、情報サイト「MacRumores」は2023年1月9日に投稿した記事で詳細を報告した。
記事によると、App Storeで「chatgpt」と検索すると、ChatGPTの名前を冠したアプリが検索結果に並ぶという。だが、現時点ではChatGPTの公式アプリは存在していない。App Storeに並ぶChatGPTアプリは、ChatGPTに“タダ乗り”したアプリなのだ。
このタダ乗りアプリはChatGPTの機能を勝手に使ったもので、アプリ内には広告が表示されている。その広告を非表示にしようとすると、週当たり7.99ドル、年間49.99ドルが請求されるという。この手のアプリは、米国のApp Storeで一時期「仕事効率化」ジャンルで2位を獲得したそうだ。
こうしたタダ乗りアプリは、MacRumoresの記事掲載後、程なくして削除された。現時点(本稿公開時点)では、AppleのApp Storeを検索してみても、あからさまにChatGPTの名前を出しているアプリはほぼ見られない。だが、アプリによってはキャプチャー画面にChatGPTと表示されていたり、アプリの説明にさりげなく「with GPT-3」と書かれていることもあるようだ。
テレビでもChatGPTが大きく取り上げられたことから、多くの人にChatGPTの存在が知れ渡り、「専用アプリもあるんじゃ?」と思った一部のユーザーを狙ったものだと考えられる。多くのユーザーがChatGPTに興味を寄せている証拠とも言える。
とはいえ、便乗したタダ乗りアプリを許してはならない。ChatGPTに興味が湧いたとしても、こうしたアプリを見かけたら要注意だ。
上司X: 最近、何かと話題の「ChatGPT」だけど、その人気に便乗してタダ乗りしたアプリがたくさん登場してるって話だよ。
ブラックピット: それは許せませんね。
上司X: ガッツリと料金を取るアプリもあったとか。悪質なのはもうストアから削除されているようだけどね。
ブラックピット: 確かに、タダ乗りしたくなるぐらいのAIチャットですよ、ChatGPTは。
上司X: まあな。日本語ですらバッチリ受け答えしてくれるし。何でも、うまく動かないソースコードをチャット欄にコピペすると、間違えているところを指摘してくれるとか。
ブラックピット: それはなかなかのものですね。僕はちょっと難しい因数分解の数式を入力してみたんですけど、ちゃんと計算してくれましたよ。
上司X: それにしても昔は「人工無脳(能)」なんてのもあって、テキストを入力してはビミョーな受け答えを楽しんでいたものだけどな。ここまで普通に会話できると、もうWebブラウザの向こうに人がいるようだよ。
ブラックピット: 人工無脳! 懐かしいですねえ。Emmy(エミー)なんてのがありましたっけ。
上司X: おいおい、そりゃ8ビットPC時代の話じゃないか。さすがにその時代と比べるのは……。でもまあ、実際にChatGPTと対話してみると、逆にその時代が懐かしくなるほどだもんな。未体験の人はぜひ試してみてほしいものだよ。
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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