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「法人向け」ChatGPTはセキュリティも安心? 個人利用と何が違うのか

業務利用禁止の動きもある「ChatGPT」。法人向けの活用サービスが開始されたようだ。個人で利用する場合と何が違うのだろうか?

» 2023年04月04日 12時00分 公開
[キーマンズネット]

 チャットbotサービスなどを提供するギブリーは2023年4月4日、「ChatGPT」の法人向けプラットフォーム「法人GPT」のサービス提供を開始した。主に個人での利用が進んでいるChatGPTを、企業単位で利用することを支援するサービスだ。

個人利用との違いは?

 ChatGPTのユーザーは現時点では個人のユーザーが中心だが、今後は法人での活用が進むと予測される。しかし、データの取り扱いやアカウント管理、ユーザーの利用分析など、幾つかの面で課題がある。ChatGPTの個人利用における課題と法人GPTでできることをまとめたものが以下の図だ。

図1 (出典:ギブリーの記者発表資料)

 ChatGPTを個人で利用する場合、会話のデータが学習に利用されるため、企業での利用が禁止されるケースもある。しかし、法人GPTのようにAPIを利用する場合は「データを学習に利用しない」とOpenAIが発表している(注1)。OpenAIが30日間データを保持するものの、企業の情報セキュリティ担当者としては、個人利用が広がるよりは安心できるかもしれない。

 法人GPTは「自社専用」のChatGPT環境を構築できるのが特徴だ。アカウントは管理者が払い出すため、従業員は個人アカウントを作成せず利用でき、管理者はIDの管理が可能だ。

 ギブリーは管理者だけでなく、ユーザー目線でのメリットも強調する。ユーザーは同社が用意したプロンプト(ChatGPTに入力する命令文)のテンプレートを利用でき、営業資料作成やプレスリリース作成、スカウトメール作成などの業務ですぐにChatGPTの業務利用を試すことができる。今後は、管理者が作成したプロンプトを従業員に展開する機能も実装予定だ。

 その他、GoogleやMicrosoftのアカウントを利用したSSO(シングルサインオン)への対応や管理者側での利用状況の分析など、企業での利用を想定した機能を盛り込む。

 料金は月額1人当たり980円を基本料金とし、利用状況に応じて従量課金されるという。最低10人から契約可能だ。

 ギブリーは管理者向けの法人GPT導入支援やプロンプトエンジニアリング研修も行うという。主にセキュリティの観点で懸念事項が多かったChatGPTの業務利用だが、こういったサービスの提供で利用が浸透するのか、注目したい。

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