解雇に敏感な従業員はどうすれば安心するのか。ある調査結果から分かった、職場の士気が上がる3つの方法とは。
人材評価および分析ソリューションを提供するLee Hecht Harrison(LHH)の調査に回答した人事リーダーの99%以上とホワイトカラーの業務に従事する従業員の80%がレイオフを懸念している(注1)。
同調査の報告書においてLHHは、包括的なサポートが士気の低下や悪い評判を防ぐと強調し、以下の3つの方法を試すべきだと述べる。
LHHの調査は米国やイギリス、オーストラリア、カナダ、フランスにおいて500人以上の従業員を雇用する組織のホワイトカラー7000人以上と人事リーダー2500人以上を対象に行われた。
LHHの本報告書は、人事担当者や従業員から共感が欠如していると認識されつつあるCEOへの警鐘かもしれない。
人事サービスを提供するBusinessolverが2023年5月に発表した報告書によると(注2)、人事担当者のうち68%が「自社のCEOを共感的だ」と評価しており、これは2022年から16ポイント減少して過去最低の水準となった。同社のCEOは次のように述べる。
「従業員の職場における実態とCEOの認識の間に、大きな乖離(かいり)があることをデータは示している。そのため、CEOは自らの認識と職場における実態を照らし合わせる必要がある」
LHHの報告書では、次のように指摘されている。
「企業とそのリーダーは、従業員を空いているポジションに移動させるための配置転換を行うことで、解雇者の数を抑えられ、困難な状況においても組織が従業員のために尽力していると示すことができる」
人事リーダーがLHHに語ったレイオフの最大の懸念事項には「事業目標を達成できない」「スキル不足による新たな人材の雇用の難しさ」「レイオフ対象ではない従業員の離職」があり、これらの対策においても配置転換が役立つ。
さらに、企業が共感性を向上させることで、リーダーが従業員のニーズに敏感になり、評判の形成にも影響を与える。
コンサルティングサービスを提供するEagle Hill Consultingが2023年2月に実施した調査では、レイオフの実施方法について従業員が明確な意見を持っていることが明らかになった(注3)。調査対象となった約1400人の従業員のうち8割以上が「電子メールによるレイオフは不適切だ」と回答しており、72%が「直接伝えられることを望んでいる」と回答した。
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