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» 2023年09月06日 07時00分 公開

失敗できないERP選定時のデモンストレーション チェックリストの必須項目を解説

ERP導入チームがERPベンダーからデモンストレーションを受ける際、チェックリストを作成しておくと導入チームとベンダーの双方にとって有益だ。チェックリストに必要な項目を紹介する。

[Eric St-JeanTechTarget]

 ERP導入チームは、新たに導入するERPが業務ニーズを満たすことができるよう、ERPの使用感や機能の過不足をチェックするために「デモンストレーション」を実施する必要がある。

 そして、デモンストレーションを円滑に進めるためには、「チェックリスト」が必要になる。チェックリストに必要な項目は、デモンストレーションの代表担当者の選定やスコアカードの作成などが挙げられる。

 事前に質の高いチェックリストを作成すると、導入チームとベンダーの双方にとって有益だ。ERP導入チームが製品選定に失敗しないためのチェックリストはどういったものなのだろうか。7つの必要項目を紹介する。

1.デモンストレーションの主催者の指名

 ERP導入チームはデモンストレーションのを主導する「主催者」を選任する必要がある。主催者は、関係者が都合の良い主催時間の選定や、デモンストレーション参加者の一部または全員が対面で参加する場合は会議室の予約などを行う。

 リモート参加者がいる場合は対面参加者用のWeb会議ソフトウェアやスピーカー、マイクの手配もする必要がある。対面参加者がいる場合は、主催者は当日の食事や飲み物を手配することもある。

 主催者はまた、遠方参加者の出張手配やビルや会議室の入退室バッジの手配が求められる。デモンストレーション参加者が遠方に住んでいて何日も滞在する場合は、その都市で生活するための準備などにも配慮が必要だ。

2.デモンストレーションの代表担当者の指名

 デモンストレーションでは参加者全員の時間を有効に使うべきだ。そのためには、ERP導入チームが代表担当者を一人選任する必要がある。代表担当者は、当日の進行の調整や支援、後日見直す議題の優先順位などの決定、デモンストレーションが予定時間を超えた場合の対応などを担当する。

 代表担当者を選任すれば、導入チームがERPベンダーに対して重複した要求や質問を投げて、デモンストレーションの進行が妨げられるような事態を回避できる。代表担当者は、ERP導入プロジェクトに精通していて、権限に基づき適切な発言ができるシニアメンバーが望ましい。

3.デモンストレーションで必要なワークフローの定義

 ERP導入チームは、ベンダーがデモンストレーションで網羅すべきワークフローを明示する必要がある。例えば、送信済みの請求書におけるエラーを特定して修正する方法などが挙げられる。

 リストを作成することで、ERP導入チームは複数ベンダーのERP製品を比較検討できるようになる。デモンストレーションの実施前にベンダーにリストを送信することは、ベンダーのデモンストレーション準備に役立つ。

 ERP導入チームが具体的なワークフローのデモンストレーションをベンダーに要求しなければ、ベンダーは難易度の高いワークフローを実証しなかったり、重要なワークフローのステップを説明しなかったりする可能性がある。

4.スコアカードの作成

 ERPの選定プロセスでは、デモンストレーションを実施したERPを客観的に評価することが重要だ。デモンストレーションの実施前に、価格やその他の選定基準などのカテゴリーでスコアカードを作成しておくのがよい。

 チームがデモンストレーションの実施前にERPの要件を把握していれば、ベンダーがスコアカードに記載した機能を確実に実証し、スコアカードに記載されていない機能の実証を省略しているのかどうかを確認できる。業務要件を満たさないアプリケーションを優先してしまう事態を回避できる。

5.打ち合わせのスケジュール設定

 最初のデモンストレーションを実施する前に、ERP導入チームはデモンストレーションに参加する従業員全員と打ち合わせをして、デモンストレーションに関する重要な情報を把握しておく必要がある。例えば、誰を代表担当者に選任したのか、なぜ代表担当者が必要なのかを確認するとともに、スコアカードを確認したり、新しいERPの評価システムについて議論したりすることが望ましい。

 デモンストレーションの実施前に、ERP導入チームはERPの選定プロセスに関するフィードバックを受ける良い機会でもある。

6.ベンダーのデモンストレーション準備

 ERPの要件に幅広く精通している導入プロジェクトチームが、デモンストレーションの実施前に各ERPベンダーと個別にミーティングして、ベンダーの準備状況を確認する必要がある。デモンストレーションの進行方法やベンダーが実証すべき機能、デモンストレーションへの参加者などについて説明する機会となる。

 事前ミーティングによってデモンストレーション実施中の予期せぬ事態を回避できる。例えば、ベンダーが実証する予定のなかったモジュールのデモンストレーションを、参加者がベンダーに依頼してしまうというような事態だ。デモンストレーション実施中にこのような要求を受けると、ベンダーは快く思わないだろう。依頼されたモジュールを実証できなければ、参加者が「ERPがタスクを実現できないのではないか」と誤解する可能性があるためだ。

 ベンダーが準備不足の場合、ERP導入チームはスコアカードで評価するための適切な情報を得ることができず、適切なERPを選定できない可能性がある。また、デモンストレーションの実施前にERP導入チームが各ベンダーとミーティングをすれば、全てのベンダーが同じ情報を得ることができるため、導入チームは潜在的な“ベンダーびいき”を回避できる。

7.デモンストレーション後のフォローアップのスケジュール設定

 デモンストレーションの実施後、ERP導入チームはベンダーにフィードバックし、次の選定プロセスについて概説する時間を設けるべきだ。ベンダーはデモンストレーションの準備と実施に多大な時間を費やしているため、導入チームは丁寧に対応し、評価チームからの意見に基づいて情報を共有する必要がある。

 フィードバックの内容には、要件を満たさなかった機能や導入チームからの質問、チームが印象深かった機能などが挙げられる。そうすることで、ベンダーは必要に応じて追加情報を提供したり、フォローアップのデモンストレーションを手配したりできる。

 また、導入チームはベンダーに対し、次回のステップについて大まかなスケジュールを提示する必要がある。ベンダーはその後の評価や選定プロセスに向けて準備できるためだ。

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