人事リーダーの9割が「リスキリングに投資すべき」と考えているにもかかわらず、積極的に投資している企業はわずか7%だという。人事リーダーがリスキリングしたいと考えるスキルとは。
ある調査によると、人事リーダーの9割が「リスキリングに投資すべき」と考えているにもかかわらず、積極的に投資している企業はわずか7%だという。また同調査では、「人材確保における最大の課題はスキルのある人材の採用」といった結果も出ている。
人事リーダーがリスキリングしたいと考えているのは、いったい何のスキルだろうか。
人事領域のサービスを提供しているPeopleScoutとSpotted Zebraが2024年1月23日(現地時間)に発表したレポートによると、人事リーダーの約90%が「今後5年間で従業員の半数までリスキリングが必要になる」と考えていることが分かった。
しかし、リスキリングに積極的に投資している企業はわずか7%に過ぎず、45%は「スキル環境の変化に備えるための人材変革イニシアチブを実施する予定はない」と回答している。
HRテック企業Spotted Zebraの創業者兼最高顧客責任者であるニック・ショウ氏は、「スキルに基づく人材戦略は不可欠であり、あらゆる地域・業種の雇用主にとって、時間は刻一刻と迫っている。雇用と能力開発の両面で将来を見据えたスキル戦略がなければ、重要な仕事が放置され、企業は収益と生産性を低下することになる」と述べた。
100人以上の人事・人材獲得のリーダーを対象とした調査では、80%が「人材確保における最大の課題はスキルのある人材の採用である」と回答しており、次いで「重要な人材の確保、現従業員のスキルアップ」となっている。
報告書によると、人材不足は教育、接客業、医療、テクノロジー、製造業で最も広がっている。スキル格差と人材不足が最も深刻なのは、自動化、AI(人工知能)導入、グリーン経済に関連する分野である。
特に、テクノロジーの導入がリスキリングの必要性を高めているという。人事リーダーの約50%は、「必要なスキルのシフトにより組織内の職務が変化する」と回答しているが、雇用主の34%は「自動化やAIの労働力導入に関する計画」を欠いている。さらに、人事リーダーの半数は「これらのスキルの採用に役立つスキルベースの人材慣行への理解が不足している」と回答している。
LinkedInのレポートによると、学習と能力開発のニーズは高まっているものの、L&Dの取り組みは十分に進んでいない。約40%の企業はまだ「スキルアッププログラムの構築の初期段階」にあり、54%は「プログラムの開発と活性化の中間段階」にある。
Udemyのレポートによると、最近のL&D投資の大部分はAI関連のトレーニングだ。同社は、過去一年で「AIトレーニング」が60%増加し、「コミュニケーション」「エモーショナル・インテリジェンス」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」などのリーダーシップ開発トピックも大幅に増加したと指摘している。
EYとiMediaのレポートによると、労働者はスキル・ファーストのアプローチを望んでおり、スキルに重点を置いた企業で長く働きたいと考えている。しかし、人事プロセスにおけるスキルデータの統合は、キャリアパスや社内流動性といった人事目標にとって依然として重要な課題である。
出典:Most HR leaders say half of workers will need reskilling in coming years(HR Dive)
注1:Time is Running Out to Close the Widening Skills Gap, Reveals New Research from TrueBlue's PeopleScout in Partnership with Spotted Zebra(PR Newswire)
注2:L&D’s influence is increasing but is it growing fast enough?(HR Dive)
注3:To avoid talent shortages, emphasize skill development, Udemy says(HR Dive)
注4:Workers say they want a skills-first approach, but employers struggle to make the shift(X)
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