ある企業では、最近ファイルサーバの更新をした。情報システム部門は、オンプレミスのファイルサーバからクラウドストレージに移行したいと考えていたが、幾つかの理由で断念したという。担当者がこぼしたその理由とは。
2024年の秋は例年とは違う。通例は暴飲暴食の秋だったが、今年の我が家はスポーツが中心だ。
毎週末は子供の習い事で時間がいっぱいだ。長男次男ともに地元のサッカーチームに所属している関係上、秋の大会に向けた練習試合が急増した。遠征などに帯同するケースが増え、ほとんど休日はサッカー関連の用事で埋まってしまう。
親が同伴するといっても基本的には監督やコーチが子供たちを指導するため、親は正直手持ち無沙汰となる。そこで、子供たちの試合を撮影することで時間をつぶしている。そんなときに活躍するのが、数年ぶりに新型を購入した「iPhone 16 Pro」だ。5倍の光学望遠があることで、遠くからでも試合の様子がきれいに撮れる。
4K 30fpsであれば、かなりきれいに子供たちの様子を記録できるため、家に帰ってから試合を振り返るには十分な画質だ。ただし、手持ちで撮影しているため、手ブレがひどい。子供たちからも、「もう少しうまく撮れないか」と注文が入る始末だ。手ブレ対策のためにジンバル購入も考えたが、それほど出番がない気がする。
凝り始めたら予算がどれだけあっても足りなくなってしまう。まさに沼に入ってしまいそうだ。
先日取材をした企業では、最近ファイルサーバの更新をしたという。同社では従来、高機能なファイルサーバをオンプレミスで運用しており、そのハードウェアの更新タイミングがきっかけだった。本当は、クラウドストレージに移行したいという要望があったが、幾つかの理由で断念したという。担当者がこぼしたその理由とは。
その企業では、業務で多くの図面や動画を扱うため、大容量のストレージが必要不可欠だ。近年ではドローンによる撮影が増加し、膨大な撮影データの保管、管理が課題となっている。また、万一に備えたDR(ディザスタリカバリー)環境を用意していることに加え、最近のランサムウェア対策の必要性も相まって、多世代のデータ管理が求められている。
近頃、クラウドストレージを利用する企業が増えているが、この企業では「移行できない理由がある」と担当者が本音を漏らす。その背景の一つが、親会社がネットワークを含むインフラ全般を管理している点だ。関連会社の裁量ではネットワーク帯域を拡張することが難しく、大容量ファイルを保存したり閲覧したりする際、クラウドへのアクセスに時間がかかる。その結果、現場のメンバーが快適にデータへアクセスできなくなり、業務の効率が低下してしまう。
システム部門としては、クラウド移行を進めたいと考えているものの、現状ではすぐに実現するのは難しい。高画質な動画ファイルの容量が大きく、クラウドストレージ側で設定されているアップロード可能なファイルサイズの制限が、移行を阻む要因になっている。
あまり意識していなかったが、「Google ドライブ」であれば、24時間以内に750GBをドライブにアップロードできるとされている。相当な容量だが、ファイルコピーを含めたバックアップ運用を考慮すると、この制限では足りなくなるケースがあるのかもしれない。特に、回線の帯域が細い場合、アップロードが24時間以内に完了せず、制限に引っかかってしまうケースも考えられる。
確かに、私が子供の試合を撮影したファイルの場合、4K 30fpsで10分ほど撮影すると、ファイルサイズはおよそ2GBほどになる。多くの従業員が日々業務で撮影した映像が集まれば、膨大な容量が必要になることは容易に想像できる。せっかく撮った映像も、圧縮すると劣化しないか心配になってしまう。ファイルサーバのオンプレミス需要も、まだまだ続きそうだ。
さて、子供の試合映像はその日の夕食時に食卓での話題となりやすいが、その後は全く振り返ることのない、無用の長物となっている。正直いえば、ストレージを圧迫するので消去したいところだが、子供の貴重な記録という視点では、意味のある映像となり得る。
どうしよう。
久しぶりにHDDやSSDなど物色しながら、家庭におけるデータ管理の最適解を検討中だ。多くの映像を仕事で扱う知り合いのカメラマンにいろいろ聞きながら、我が家に適したものを見つけていきたい。
どなたかご教示いただけないだろうか。
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