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新しいOutlookは何ができる? Microsoft 365新機能まとめ

2024年12月のMicrosoft 365は、リモートと対面での仕事が混在する職場環境を支援する新しいアプリケーションが登場するなど、注目すべきアップデートがあった。

» 2025年01月10日 08時00分 公開
[平 行男合同会社スクライブ]

 「Microsoft 365」のアップデートについて内田洋行の太田浩史氏(エンタープライズエンジニアリング事業部)がウェビナーで解説した。2024年12月は、ハイブリッドワークをサポートするツールとして「Microsoft Places」(以下、Places)が登場した。チームのコミュニケーションを活性化し、生産性を大きく向上させるというが、どのような機能があるのか。

 またWeb版とUIが統一された新しい「Micrsoft Outlook」(以下、Outlook)でも、共同作業を助ける機能が追加された。「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)では、「プロンプトギャラリー」が登場した。シーン別に、より効率的に仕事を進めるためのプロンプトを入手できる。その他、「Microsoft Teams」(以下、Teams)でも会議を効率化するための機能が拡充された。以下で詳しく紹介する。

新しいOutlookは何ができる? 会議を効率化するTeamsのアップデートも

 Teamsは、セミナーなどを配信する仕組みである「タウンホール」の機能を中心に3つのアップデートがあった。

Teams(1) タウンホールをページに埋め込む

 「タウンホール」は最大1万人の出席者を収容できる。そのライブ配信をページ内に埋め込んで共有できる機能が新たに追加された。この機能を利用するには、まず「Microsoft SharePoint」(以下、SharePoint)に埋め込みWebパーツを追加し、次にTeamsから取得した埋め込み用のHTMLコードを利用する。ただし、Webサイトからの読み込みが許可されていない場合にはエラーが発生するため、設定で埋め込みを許可する必要がある。

 この機能により、経営方針発表会や重要なプレゼンテーションなどの動画を社内で効率的に共有できる。動画をページ内に直接埋め込むことで、従業員は必要な情報を迅速かつ簡単にアクセスでき、社内コミュニケーションの向上が期待される。設定の手間はかかるものの、一度設定を完了すれば繰り返し利用可能だ。

出典:内田洋行の投影資料

Teams(2) タウンホールやウェビナーの出席者に送る電子メール送信を無効化

 タウンホールおよびウェビナーには、イベントを予定すると出席者に参加URLが含まれた電子メールが自動送信される機能がある。便利な機能だが、参加者に別の仕組みで通知したい場合もある。そのようなニーズに対応して、送信する電子メールの使用有無を設定画面から選択できるようになった。この変更により、企業は好きなツールを組み合わせて集客や通知ができるようになり、柔軟性が向上した。特に、独自の通知システムを持つ企業や特定の形式で情報を提供したい場合に有用だ。

出典:内田洋行の投影資料

Teams(3) 会議の匿名参加者にCAPTCHA認証を要求

 Teamsにサインインしていない匿名の参加者が会議に参加する際に、ウィンドウに表示された文字を入力しないと参加できない「CAPTCHA認証」を要求できる機能が新たに追加された。この機能により、悪意のある第三者が会議URLを自動生成し、大量に送りつけて会議に不正に参加しようとする総当たり攻撃などを効果的に防止できる。

 外部の参加者が多い大規模な会議やセミナーにおいて、セキュリティを強化し、会議の安全性を確保するためにCAPTCHA認証は有用だ。この機能はデフォルトでは無効になっているため、有効にするにはシステム部門が会議ポリシーの設定を変更する必要がある。

出典:内田洋行の投影資料

Outlookのアップデート

 Outlookには3つの新機能が追加された。

Outlook(1) リンクを開くとEdgeのサイドバーに元の電子メールが表示される

 新しいOutlookでは、電子メール内のリンクをクリックすると、リンク先のページと同時に「Microsoft Edge」のサイドバーに元の電子メールが表示される機能が追加された。この機能により、リンク先のページから必要な情報を入力する際に元の電子メールを参照できる。IDやパスワードなどの情報を転記するのが非常に便利だ。複数のタブを切り替える手間を省き、作業効率を向上させる。実際に使用してみると、電子メールに記載された情報を確認しながら、リンク先のフォームやWebページに必要な情報を入力できるため、想像以上に役立つことが分かる。

出典:内田洋行の投影資料

Outlook(2) 会議出席依頼への出席・欠席の返信をコピーする

 新しいOutlookおよびブラウザ版のOutlookでは、会議出席依頼に対する返信をコピーできる機能が新たに追加された。この機能を利用することで、出席者からの返信内容をそのままコピー&ペーストできる。これにより、参加者の名前や電子メールアドレス、出欠の状況などを一元的にまとめられる。特に、大規模な会議やセミナーの際には、出席者の情報を効率的に管理しやすくなる。

出典:内田洋行の投影資料

Outlook(3) 同僚がオフィスに出社する日を表示

 新しいOutlookおよびブラウザ版のOutlookでは、同僚が出社する予定を表示する新機能が追加された。この機能により、自分の出社計画を立てる際に大いに役立てられる。同僚がオフィスに来る予定を事前に把握することで、重要な会議や打ち合わせを計画しやすくなり、チーム内のコミュニケーションやコラボレーションが円滑に進む。また、Outlookのカレンダー画面には、いつ誰が出社しているかも表示されるため、スケジュール調整も簡単になる。この機能は、Microsoftの新しいアプリケーションである「Microsoft Places」のコア機能の一部として提供されている。

出典:内田洋行の投影資料

新アプリケーション登場! Copilotにも新機能

 Microsoft 365に新しいアプリケーション「Microsoft Places」がリリースされた。また、「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)でも新機能が追加された。全ての機能を利用するためには、「Teams Premium」ライセンスの購入が必要だが、コア機能のみでもコミュニケーションの活性化に有効だ。

Places Microsoft Placesの提供開始

 いつどこで仕事すべきかを計画するツール「Microsoft Places」が新登場した。このツールを使うことで、どこで同僚と会えるかが分かり、リモートと対面を複合的に計画することが可能となる。最近は、リモートから出社に切り替える企業も増えているが、そんななかでハイブリッドワークをサポートするツールとして発表された。

 コア機能は、Microsoft 365やOffice 365のライセンスで利用できる。他にも、オフィスのレイアウト図からメンバーの働いている場所を可視化する機能やデスクの予約などさまざまな機能があり、Teams Premiumライセンスで全機能を利用できる。

出典:内田洋行の投影資料

Copilot プロンプトギャラリーが登場

 Copilotに対して質問するプロンプトを管理できる新機能「プロンプトギャラリー」が登場した。この機能は、以前「Copilot Lab」として知られていたものに多くの新しい機能を追加し、より便利に生まれ変わったものだ。Microsoftが提供する多種多様なプロンプトを利用できるだけでなく、自分自身が作成して保存したオリジナルのプロンプトも一括して表示できる。これにより、ユーザーは必要なプロンプトを素早く選択し、簡単にCopilotに指示を出すことが可能になる。今後のアップデートでは、プロンプトを同僚とも共有できるようになる予定だ。

出典:内田洋行の投影資料

今後注目の新機能

 最後に太田氏は、今後展開されるTeamsの新機能を1つ紹介した。

 今後のアップデートで、Teamsのウィンドウサイズを変更する機能の自由度が大幅に向上する。これにより、従来のサイズ変更に加えて、さらに小さく調整できるようになるだけでなく、会議中のウィンドウの右側に表示されるチャットウィンドウやサイドパネルの幅も自由に変更可能になる。ユーザーは自分の作業スタイルや好みに合わせて、画面レイアウトをより柔軟にカスタマイズできる。

 例えば、チャットウィンドウを広げてコミュニケーションを重視したり、サイドパネルを狭くしたりして会議内容に集中できる。このアップデートは2025年1月に予定されている。

出典:内田洋行の投影資料

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