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AI活用、実際どれくらい評価・昇進に影響するの? 調査で管理職の意識が明らかに

管理職・経営層は社内のAI活用をどのように評価しているのか。意識調査で、AI活用が上層部の評価や昇進にどの程度影響しているのかが明らかとなった。同時に、管理職自身の活用不足や、AI活用の世代差、研修や利用ルールの未整備の実態も判明した。

» 2026年07月02日 07時00分 公開
[後藤大地キーマンズネット]

 AIの活用状況は個人によって差が生じている。中でもAIの活用が上層部にどのように評価されているかは誰しも気になることだろう。SHIFT AIが全国の管理職・経営層271人を対象に実施した「管理職・経営層のAI活用実態と、AI時代の人材評価に関する意識調査」で、管理職・経営層が社内のAI活用をどのように感じているか、評価や昇進においてAIスキルをどのように考慮するかといった判断実態が明らかとなった。

AI活用力と評価意識に開き、世代・企業規模の格差も

 自信が業務で生成AIを利用しているかという設問では、「毎日利用している」が25.5%、「週に数回利用している」が29.9%、「月に数回利用している」が17.0%で、計72.3%となった。一方、「利用していない」は27.7%だった。利用経験を持つ層は多数派となったものの、利用頻度には幅があった。

業務で生成AIを利用しているか(出典:SHIFT AI調査)

 自身の活用度を尋ねた設問では、「十分活用できている」が14.0%、「ある程度活用できている」が35.4%で、計49.4%だった。「あまり活用できていない」は28.0%、「全く活用できていない」は22.5%で計50.6%となり、利用経験が広がる状況とは異なる結果が出た。

生成AIを十分に活用できているか(出典:SHIFT AI調査)

 活用不足の理由は「活用方法が分からない」が32.8%で最も多かった。続いて「学習する時間がない」(22.6%)、「必要性を感じない」(20.4%)、「業務での活用イメージがわからない」(19.7%)と続いた。「無料版しか使えない/予算・コストの問題」「AIの出力精度・品質が信頼できない」は各15.3%、「情報漏えい・セキュリティが不安」は14.6%、「社内ルールが不明確」は11.7%、「会社にAIツール・環境が導入されていない/利用許可がない」「相談できる相手がいない」は各9.5%だった。

 生成AI活用で従業員の業務成果に差が生じると思うかという設問では、「非常にそう思う」が23.2%、「ややそう思う」が44.6%で、計67.9%となった。評価や昇進へ差が生じるとの回答も60.1%(「非常にそう思う」20.3%、「ややそう思う」39.9%)に達し、AI活用力を人材評価へ結び付ける認識が広がった。

生成AI活用が評価や昇進に影響するか(出典:SHIFT AI調査)

 今後3年以内に評価や昇進へ影響すると思う能力に関する設問では、「AI活用スキル(生成AIを使いこなす力)」が39.5%で最も高く、「IT・データ活用スキル」(33.2%)、「コミュニケーション能力」(25.5%)、「専門知識・専門スキル」(24.7%)が続いた。「論理的思考」は11.1%、「批判的思考」は4.1%だった。

評価や昇進に影響するAIスキル(出典:SHIFT AI調査)

 社内で生成AI活用が進む層は、「管理職」が33.9%、「現場の一般社員」が32.5%、「層による差はない」が26.2%となった。「経営層・役員」は7.0%にとどまり、経営層を挙げる回答は少数だった。

 管理職・経営層が抱く懸念では「AIを活用できる人材とできない人材の格差拡大」(33.9%)が首位だった。その他、「情報漏えい・セキュリティリスク」(32.1%)、「AI依存による社員の思考力・スキル低下」(26.6%)、「業務改善・生産性の差の拡大」「評価制度が実態へ合わなくなること」(各18.1%)となった。

AI活用に伴う懸念(出典:SHIFT AI調査)

 教育や研修の実施状況は、「実施していない」が46.1%で最多だった。「単発で実施したことがある」は21.4%、「定期的に実施している」は17.7%、「検討中」は14.4%だった。利用ルールでは「整備されていない」が41.7%、「一部整備」が30.6%、「検討中」が14.0%、「整備されている」が13.7%となり、制度面の整備は十分とは言えない状況だった。

 生成AI活用拡大へ必要な項目では「社員がAIを学ぶ時間」(44.6%)に、「自分がAIを学ぶ時間」(42.4%)が続いた。「社内の推進人材」「明確な活用ルール」は各28.8%、「相談できる相手・伴走支援」は20.3%、「経営層の理解・関与」は19.9%、「予算」は19.2%だった。

AI活用推進のために必要なもの(出典:SHIFT AI調査)

 企業規模別に見ると、その差が大きく表れた。従業員50人未満は「活用不足」が65.1%だった。「AI研修未実施」は69.8%、「利用ルール整備済み」は3.2%だった。1000人以上は「活用不足」が39.6%、「AI研修未実施」が26.4%、「利用ルール整備済み」が28.6%となり、企業規模で開きが確認された。

 年代別では「30代」の活用不足が33.4%で、「40代」が48.1%、「50代」が63.2%、「60代以上」が51.5%だった。50代は全世代中で高い割合となり、役職層の中心世代で課題が目立った。評価や昇進へ差が生じるとの認識は「30代」が66.7%、「50代」が56.7%だった。

 調査全体ではAI利用は広がったものの、活用水準や教育機会、社内制度には課題が残る状況が示された。企業規模や年代による差も確認され、AI活用力と組織内環境の双方が人材評価と組織運営へ影響する実態が浮かんだ。

 なお、今回の調査は、「管理職・経営層のAI活用実態と、AI時代の人材評価に関する意識調査」と題して、全国の管理職・経営層(25〜69歳)271人を対象に、SHIFT AIがインターネットリサーチによって調べたもの。調査期間は2026年6月16〜6月22日。

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