不動産事業を手掛けるクラスコは、店舗別、会社別データの集計・発注業務にかかる時間を95.65%削減した。決め手は、ミスを防ぐために続けてきた三重確認の廃止だ。確認を増やすのではなく、なくす。その逆転の発想を、同社はどう実現したのか。
複数の店舗や拠点を運営する企業では、店舗別、会社別のデータを定期的に集計する業務が発生する。名称が似た店舗や組織を扱う場合、データの選択や転記を誤る恐れがあり、ミスを防ぐための確認作業も担当者の負担になりやすい。
不動産事業を手掛けるクラスコも、毎月の集計・発注業務でこうした課題を抱えていた。同社は社内向けの自動集計システムを構築し、従来実施していた三重確認を廃止した。リリースによると、集計・発注業務の作業時間を95.65%削減したという。人による確認を重ねていた業務を、どのような仕組みで自動化したのか。クラスコが抱えていた課題と、システム構築の内容を見ていく。
クラスコが自動化の対象としたのは、毎月実施していた店舗別、会社別データの集計と、それに伴う発注業務だ。従来は、名称が似た複数の店舗や組織を目視で判別し、対象となるデータを抽出していた。そのため、店舗名の取り違えや、表計算ソフトでのセル選択ミスが発生する恐れがあった。
同社は誤集計を防ぐため、複数人が内容を確認する三重のチェック体制を採っていた。しかし、確認作業そのものに時間がかかる上、人による確認ではミスを完全には排除できず、担当者の心理的な負担にもなっていた。
こうした作業を見直すため、クラスコは店舗別、会社別のデータを処理する社内向け自動集計システムを構築した。
システムは、プログラミングを専門としない現場担当者が、AIに集計ルールや業務フローを相談しながら設計したという。外部への開発委託や専用システムの導入はせず、既存のクラウドサービスやノーコードツールを組み合わせた。
システムの導入後は、担当者による店舗名の判別や、手作業でのデータ抽出が不要になった。これに伴い、従来実施していた三重確認も廃止した。同社によると、集計・発注業務にかかる作業時間は95.65%減少した。年間では約22時間、金額換算では6万6000円相当の人的コストを削減したとしている。
今回の事例からは、確認工程を増やしてミスを防ぐのではなく、ミスが起きやすいデータの選択や転記そのものを見直すことの重要性が見えてくる。情シスが業務改善を進める際も、既存の確認作業をそのまま効率化するのではなく、そもそも人手で処理する必要がある工程かどうかを見極めることが重要になるだろう。
なお、この記事は、2026年7月21日にクラスコが発表したプレスリリースを基に構成したものだ。
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