ふと訪れたハンバーガーショップで、ほとんどのメニューが注文できない事件に遭遇した。たまたまかとも思いつつも、頭をよぎるのはちょうど数日前に発生したニチレイに対するサイバー攻撃だ。フィレオフィッシュを食べつつその関係を考えてみた。
先日、取材のために埼玉某所へ訪れた際、時間が多少あったので駅前のハンバーガーチェーンに立ち寄った。ちょうどお昼時で店内はごった返していたが、なぜか店内ながらスマートフォンで連絡を取る人たちが数多く見受けられた。このお店の普段の様子を知らないだけに、これが通常なのかもしれないが。
取材まで1時間程あるので、軽く昼食でも食べようとセルフオーダー端末に近づき、注文してみることに。画面のフローに沿ってお得なセットメニューを注文しようとすると、なぜが多くのセットがグレーアウトしており、ボタンが押せずに注文できない状況になっていた。
混み合っているランチのタイミングは、通常のグランドメニューが注文できない仕様なのかもしれないと考え、昼の時間帯にお得になるセットを選択してみたところ、こちらもグレーアウト。頼めるものと言えば、フィレオフィッシュと揚げたチキンを挟んだセットのみ。
隣の端末前で注文しようとしていた年配の女性が「頼まれたセットは注文できないみたい!」と電話で息子らしき人に伝えている様子。私だけの問題ではなく、何かイレギュラーなことが発生しているようだ。
ここで思ったのが、数日前発生していたニチレイに対するサイバー攻撃による影響の可能性だ。
7月13日に不正アクセスを受けた影響でシステム障害が発生し、冷凍食品や食材の出荷などに大きな影響が出ているニュースを見聞きしていたため、急きょ販売停止になった可能性は十分考えられた。
今回のサイバー攻撃に関する影響が大きくなった背景には、ニチレイのビジネスモデルにその一端があった。ニチレイは、自社の冷凍食品を販売するメーカーでありながら、自社で冷凍倉庫を保有し、他社商品を配送する低温物流の最大手の企業だ。そのため、一部では学校給食にも影響が出ているなど、食品に関するサプライチェーン全体に影響が出ているわけだ。ハンバーガーを提供する企業でいえば、ケンタッキーフライドチキンがその影響をもろに受けていたニュースも見聞きしていた。
ただ、この時点でニチレイのニュースからは数日経過していたため、店舗としては事前に食材の入荷が停滞することは想定できるはずで、お店側でも大々的にアナウンスしてもよいはず。隣の女性が電話で絶叫することもなかったことだろう。
注文できたフィレオフィッシュを口の中に詰め込みながら、スマートフォンでニュースを探してみたところ、このハンバーガーチェーンについての配送遅延の影響は全く報じられていない。生成AIに尋ねても、ケンタッキーの話題やロシアのハッカー集団が犯行声明を出したという情報は教えてくれたが、このハンバーガーチェーンが被害を受けた報告は皆無のようだ。
ではなぜ?
気になってしまったので店員さんに声をかけたところ、どうやらパティ焼成機器が故障したらしく、この店舗だけビーフやポークパティを使ったハンバーガーが出せないとのことだった。
「隣駅の店舗なら特段制限なく注文できます。申し訳ございません」とのこと。結果はさほど大ごとではなかったのだが、ランサムウェアの被害を日常的に感じてしまうほどサイバー攻撃が身近なものになってしまったことの証左と言えるのかもしれない。いや、これはIT業界に身を置いていることで安易にサイバー攻撃に結び付けてしまった私の職業的な病か。
現時点ではニチレイの全ての拠点で平常稼働に移行したというプレスリリースが出ており、アサヒビールやアスクルのような長期的な被害を回避することに成功したようだ。短期間での復旧については、他社にも参考になるネタがありそうなので、いずれ取材にて明らかにしたいところだ。
なお、久しぶりに食べたフィレオフィッシュの魅力を再認識できたことが、個人的な収穫の1つとなったことはお伝えしておきたい。
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