WANの基本機能とは?
直結回線には次のような回線サービスがある。
●専用回線
いわゆる通信線の貸切で24時間接続、料金は固定で距離と通信速度で決まる。接続形態は必ず1対1で、通信相手先が固定されている。そのため回線上のセキュリティは不要である。鉄道の例えでいえば、貸切列車である。かつては、「アナログ専用回線」「デジタル専用回線」程度のサービスしかなかったものの、データ通信の発達、多様化にともない、現在では多種多様なサービスが展開されている。
●ダークファイバ
通信事業者や国や地方の公共団体(道路、河川、下水道など)、鉄道会社、電力会社などが敷設・所有している光ファイバケーブルを利用する。光ファイバケーブルの芯線部分を1芯単位、帯域単位、波長単位で貸出す。回線にかかる経費が低く抑えられる(光ファイバ1本につき1km当たり月額10万円程度)。あくまでも貸出すのは光ファイバケーブルだけである。ケーブル自体が断線した場合、その都度ケーブルの所有者に手動で通報しなければならないなど運用管理が自己責任となる。
一方、共用回線そのものを「バックボーン回線」、利用者宅からアクセスポイントまでの回線を「アクセス回線」と呼ぶ。バックボーン回線の選択肢としては以下のとおりである。
●広域イーサネット
●IP-VPN
●インターネットVPN
●フレームリレー
●ATM(セルリレー)
WANの導入メリットとは?
直結回線のメリットとしては、帯域が保証されていること、遅延時間が一定であること、さらにまた、通信回線上に他者が入り込む余地が無いため、セキュリティ対策が少なくすむことなどが挙げられる。一方、共用回線のメリットといえば、なんといっても経済性である。直結であればお客さんが乗っていようといまいと時刻表どおりに列車は走る。それに対して共用回線では、必要な時に必要な台数だけ車を走らせればいいのである。