5分で分かる最新キーワード解説
セキュアなIoT実現の新機軸、「LSI個体差暗号技術」とは?(2/4 ページ)
LSIの個体差を暗号に応用する方法
つまりLSIの個体差とは、入力信号と出力信号の中間で生じるLSI内部のグリッチ発生回数である。もちろんそれがLSIに求められる計算処理結果に影響することはなく、LSI回路を複写して入力信号と出力信号をLSIごとに比較すれば、全て同じ結果になる。LSI個々に潜み、回路が動作する瞬間以外には観測できないこの個体差を、LSI個別の「秘密の情報=固有ID」と見なせば、暗号システムに利用できるのではないか、というのが研究チームの着眼点だ。
研究チームはその過渡特性をビット列に変換し、暗号鍵としても使える固有IDとして利用できないかと考えた。グリッチの発生回数が偶数個なら0、奇数個なら1のビットに変換し、入力信号を変えてビットへの変換を行うことを繰り返して、ある程度長いビット数の乱数が生成できれば、暗号化と復号に利用可能な「指紋」のような固有ID情報が生成できるはずだ(図2)。
研究チームは、セキュアなLSI開発研究に実績のある立命館大学と共同して試作品を製作し、このたび実証実験に成功した。試作されたLSIは、180ナノメートルと65ナノメートルの2つのプロセスを使うFPGA(Field-Programmable Gate Array)で、一般的なLSIの設計と製造のフローで作られている。生成される固有IDは128ビットで、LSI個品ごとに別々なIDが、それぞれ安定して生成されることを確認した(図3)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー