「明日、うちのサービスがTVで紹介される」――その時、Webサーバは……ANAインターコンチネンタルホテル東京の場合(2/2 ページ)
サーバダウンがゼロになり、優良顧客を漏らさず取り込めるように
Webサーバを切り替えたのは2015年2月。その2カ月後、最初の試練がやってきた。TVの人気番組で、同ホテル36階にある「MIXXバー&ラウンジ」のビュッフェが取り上げられたのだ。
「放送当日は、どきどきしながらWebサーバの状況を確認していました。予想通り、短時間で多くのお客さまがWebサイトを閲覧されたのですが、サーバは無事。以前ならダウンしていた水準の2倍以上のアクセスにも耐えきったのです。私も大島も、ホッと胸をなで下ろしました(笑)」(新井氏)
テレビ番組を見てホテルのWebサイトを見た人の内、数パーセントはレストランの予約をしたり、実際に来店したりする。そして、さらにそのうちの何割かは、何度も足を運んでくれるリピーターになる。これまではWebサーバの障害によって、こうした「将来の優良顧客」をみすみす失ってしまう危険性があった。
「でも、Webサーバを切り替えてからは一度も落ちたことがありません。おかげで、ビジネスロスが一切発生しなくなったのは非常に大きいと思っています」(大島氏)
今後、同ホテルではCMS(Contents Management System)の導入を検討している。CMSを導入することで、Webサイトの更新をさらに手軽にするのが狙いだ。
「既に述べたように、私達のホテルでは情報発信力の強化を目指しています。もし、Webサイト内の情報を更新するたびに外部の制作会社に依頼をしていたら、小回りのきいた情報発信はできません。そこでCMSを導入し、一般のスタッフでも更新をしやすい環境を整えたいと考えているのです。また、セキュリティの向上についても、ぜひ取り組んで行きたいですね」(大島氏)
アナリストから:自社Webサイトは「24時間対応の営業マン」
今回は著名な一流ホテルにおける事例です。著名ホテルでは顕著かと思いますが、昨今ではさまざまな地域の商店や工場を訪問するテレビ番組も数多くあります。中小企業であっても、一気に知名度が上がってWebサイトにアクセスが殺到する可能性は十分にあります。そして、昨今のWebサイトでは簡単な書き込み機能や取引の仕組みを備えることも少なくありません。これを利用すれば、Webサイトを通じた受注や販売も可能です。
ただし、ここで注意すべき点があります。大手通販業者は商品の注文から到着までの時間を競って縮めており、「当日配送」をうたうケースも珍しくありません。取引先や消費者はこのスピード感に慣れていますから、中小企業のWebサイトにも同じレベルを求めることがあります。実際、「Webサイト販売を始めたところ、休日や夜間にも注文が絶えず、店主が体調を崩してしまった」という話を耳にすることも少なくありません。つまり、Webサイトを開設するということは単に「インターネット上で自社を紹介する」だけでなく、「24時間対応の営業マンを配置する」ということを意味します。
Webサイトを通じた注文や問い合わせ窓口を開設する際は、対応可能な曜日や時間帯を明記しておくなど、ヒトが関わる業務に無理が生じないように配慮することがとても大切です。
(ノークリサーチ シニアアナリスト 岩上由高氏)
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