IT導入完全ガイド
匿名加工情報とは? 基礎概念、利用用途を理解する(3/3 ページ)
匿名化データの活用イメージ
では、匿名化したデータは具体的にどのような場面で活用できるのだろうか? イメージをつかむために、以降では匿名化データの具体的な活用例を見ていこう。
企業内・グループ内でのデータの流通を促進
最も身近な例が、企業内やグループ内でデータを融通し合うことで、製品やサービスの質を向上させたり、営業やマーケティングの施策を強化したりするという使い道だ。
例えば、あるサービスに登録したユーザーの情報は、そのサービスや事業の範囲内でのみ利用が許されており、それ以外の目的で利用することはできない。しかしデータを正しく匿名化すれば個人情報として扱わなくても済むため、他の目的でも利用できるようになる。例えば、とあるサービスの登録ユーザーの情報を匿名化した上でマーケティング部門に引き渡し、各種ユーザー属性や購買履歴・行動履歴の間の相関を分析することで顧客の潜在ニーズを割り出し、製品・サービスの開発に生かすことができる。
また先に述べたように、行政機関が提供する匿名化されたオープンデータと、自社が保有するデータとを突き合わせることで、やはり新たな知見が得られる可能性がある。2017年5月の改正個人情報保護法の施行によって、いよいよこのようなビッグデータ利活用が現実味を帯びてきた。現在多くの企業では自社内に存在するデータの価値と活用をあらためて検討し始めている。
匿名化データが「商品」として流通する未来
中長期的には、企業内やグループ内だけにとどまらず、企業の垣根を越えてデータを突き合わせて分析することで、これまでにない新たな価値をビッグデータから引き出せるようになるだろう。既に一部ではそうした動きが始まっているが、改正個人情報保護法にはもともと、こうした取り組みを国全体としてより一層加速させる狙いがある。ただし当然、個人が特定できないようデータを匿名化しておくことが大前提となる。
また将来的には、匿名化したビッグデータそのものが高付加価値の商品となり得るかもしれない。行政機関が提供するオープンデータと同様に、通信キャリアや公共交通機関、大手小売企業などが顧客の購買履歴や移動履歴のデータを匿名化した上で公開すれば、これを使ってさまざまなビジネスアイデアが生まれる可能性がある。一部ではこうした動きも先行して始まっているが、この場合もやはりデータの匿名化が必須となる。
このように、今後社会全体でビッグデータ利活用が進むに伴い、データ匿名化のソリューションも徐々に普及が進むと見られている。そこで次回は、データ匿名化ソリューションの導入を検討するにあたり留意すべきポイントや、主要な製品の特徴などを紹介する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
IT導入完全ガイド
注目の技術やITツール。そもそもどういったモノで何に使えるのか、どんなモノを選ぶべきか、課題はあるか、といった情報を基礎から徹底解説します。
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
スクエニ開発陣が「ドラゴンクエストX」の世界観を守るのに「Gemini」が必要だったワケ
-
2
「Gemini Notebook」で利用者10倍 シニア社員をAIヘビーユーザーにした首都高の考え
-
3
ニンテンドーシステムズ開発者が明かす、通信「低遅延・安定運用」のコツ【事例集】
-
4
Windowsを使い続けるのは正解か? 「Linux化」というモダナイズのもう一つの選択肢
-
5
「新しいOutlook」って使ってる? 移行で変わるメール誤送信対策
-
6
ChatGPTに「おすすめの○○は?」 実は答えが決まっているらしい:893rd Lap
-
7
製造業の73%が「生成AIに仕事を頼みたいのに頼めない」理由とは
-
8
できる人ほど教える時間がない AIは暗黙知の夢を見るか
-
9
こんなところに野良AIが? 事例で解説、実際にあった2つの発覚パターンと防衛策
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー