Googleに罰金62億円、今度は一体何をやらかした?:498th Lap
フランス当局がGoogleに対して5000万ユーロの罰金支払いを命じた。同社は命令に応じる方針らしいが、全世界の売り上げからすると“はした金”に過ぎないのか?
2019年1月21日、フランスのデータ保護規制当局「CNIL(情報処理および自由に関する国家委員会)」は、Googleに対してGDPR違反で5000万ユーロ(約62億円)の罰金支払いを命じたと発表した。
GDPRは、2018年5月25日にEUで施行された「一般データ保護規則」で、個人情報の取り扱いが格段に厳しくなった。EU圏に関連企業がある他国企業はもちろん、EU圏内の顧客との取引がある場合も対象になるので、慎重に対応を進めてきた日本企業も少なくない。Googleは一体何をやらかしたのか?
GDPRが施行された日、プライバシー保護団体の「noyb(none of your business)」と「LQDN」は、Google、Facebook、Instagram、WhatsAppを運営する企業を訴えた。彼らの主張は「4つのサービスは独自のプライバシーポリシーへの同意をユーザーに強制し、それがGDPRを侵害している」というものだ。
ざっくりまとめると、プライバシーポリシーの説明を読むために複数のステップが必要なことは透明性と情報の義務に違反し、プライバシーポリシーに同意しないユーザーのアカウントをブロックすることでユーザーの自由選択を奪い、パーソナライズ広告もユーザーが何について同意しているのかが明確になっていないという指摘だ。
GDPR違反の罰金上限は「対象企業の全世界売り上げの4%もしくは2000万ユーロ(約25億円)のうちで高い方」だ。noybの関係者は「Googleの売り上げから計算すれば最大37億ユーロ(約4600億円)もの罰金が科せられる可能性もあった」として、満額でなかったことに言及している。
ちなみにGDPR違反で罰金が科せられたのは今回が初めてのこと。Googleは「GDPRの期待と同意要件を満たすため真摯(しんし)に取り組む。今回の決定については検討中」とコメントした。異議を申し立てることもできるが、現時点では目立った動きはなく、罰金を払いつつサービス内容を見直す方針のようだ。
「さすが世界のGoogle、5000万ユーロにも動揺していないぜ」と思ってしまうのは早計だ。同社はEU圏において、2017年にGoogleショッピングの商品を検索結果に優先的に表示したことが独占禁止法に反したとして24億2000万ユーロ(約3000億円)、2018年にAndroid OSを無償配布したことが同じく独禁法違反で43億4000万ユーロ(約5700億円)もの罰金を支払っている。これらに比べれば5000万ユーロなんて……。
どうやら同社によって罰金は設備投資の一環のようだ。あまりにスケールが違うグローバルな経営観に圧倒されるというものだが、それほどの意気ががなければ世界のIT市場で覇権を握ることは難しいのかもしれない。
上司X: GoogleがGDPR違反で史上最高額の罰金を科されたという話だよ。
ブラックピット: 最初に適用されたんだから最大の罰金ってのは当然じゃないですか。
上司X: そうだけどさ、62億円だぜ。
ブラックピット: これまで払ってきた罰金に比べたら、はした金ですよ。
上司X: そうだけどさ……。
ブラックピット: 罰金を払ったとしてもEU圏での商売は続ける価値があるってことですよね?
上司X: 累計にしたらエラい額になるな。
ブラックピット: でも中国からは撤退しましたよね。あれは表現の自由というか検索の自由を求めてのことらしいが、裏では中国向けの検閲機能付き検索エンジンを開発しているとか、いないとか。
上司X: それについては置いておくとして……。今回も特に大騒ぎすることなく上手くいなしていくだろうな。これがきっと世界的大企業の貫禄ってやつだろう。俺たちもそんな風にどっしりと生きたいもんだねえ。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
金曜Black★ピット
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー