経費精算システムの利用状況(2019年)/前編
経費精算システムはどの程度使われているだろうか。調査では意外にも「手書き」を挙げる企業が一定数存在することが明らかになった。実態を探る。
キーマンズネットは2019年7月20日~8月1日にわたり、「経費精算システムの利用状況」に関する調査を実施した。全回答者数165人の内訳は、情報システム部門が37.6%、製造・生産部門が18.8%、営業・販売・営業企画部門が11.5%、経営者・経営企画部門が9.7%などだった。
今回は、経費精算業務の実態や、経費精算システムの導入状況を調査した。なおグラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、事前にご了承いただきたい。
「発生時に申請」か、ざっくり「まとめて申請」か、経費精算の実施状況は
企業ではほとんどの方が体験しているであろう経費精算業務だが、どのような精算項目でどのくらいの件数や金額が精算対象となっているのだろうか。はじめに実態を調査したところ、精算項目は「交通費」が97.4%と大多数で、続いて「宿泊費」67.5%、「消耗品・備品購入費」52.3%、「接待交際費」26.5%、「会議費」19.2%となった(図1)。
精算を行うタイミングは「経費が発生したタイミング」が74.2%、「月末にまとめて」が21.2%、「特に決めていない」4.6%と続き、まとめると交通費を中心に経費が発生したタイミングで精算業務を行うケースがスタンダードであることが見て取れた。
それでは申請額についてはどうだろうか。ひと月に経費申請するおおよその金額を聞いたところ、1位は「1001円~5000円」で31.1%、2位は「1万円~5万円」で24.5%、3位は「5001円~1万円」で19.9%と続いた(図2)。ひと月の申請件数は「1~10件」が84.8%と過半数を占め、続いて「11~50件」が11.3%となり、おおむね50件以下であった。10件以下のこまごまとした小口の清算が多数を占めることが分かる。
企業で分かれる経費精算の方法 「紙」申請フローを維持する企業の割合は?
ひと月に数十件の経費申請が発生していることが分かったが、どのように精算処理をしているのだろうか。調査ではExcel帳票の利用度合いや「手書き」の割合も明らかになった。
所属企業の経費精算方法を問う設問では、「経費精算システムに入力し、申請する」を選択した回答者が65.6%を占めたことから、過半数は何らかのツールでデジタル化していることが明らかになった。一方で、「Excelで作成された自社フォーマットに入力し、出力した紙で申請する」が17.2%と2割近く、「所定の用紙に手書きで記入し、申請する」が11.3%と続き、システム利用が大半であった半面、紙文書での運用が約3割の企業で残っていることが分かった(図3)。
経費精算システムの導入状況はリプレース層を含めると、64.3%と全体の6~7割の企業でシステムが導入されていることが確認できた(図4)。
システムの導入形態は「クラウド(SaaS・ASP)」42.5%、「パッケージ」29.2%、「自社開発」24.5%の順で高く、クラウドサービス利用率が高い。従業員の経費申請業務にかかる手間を極力削減するためにスマートフォンなどモバイルデバイスを活用しやすくしたり、給与計算や勤怠管理など他サービスとの連携を強化したい企業からすると、クラウドサービスのほうが相性が良いとする判断もうなずけよう。
経費精算システムの選定ポイント コストに保守、安定性……もう1つは?
では経費精算システムの選定ポイントはどこにあるだろうか。最後に導入済みの経費精算システムについて、選定・活用する際に重視したポイントを聞いたところ「導入や運用にかかるコスト」「他システムとの親和性」「安定性・可用性」「保守・サポート」の4項目が上位に挙がる結果となった。
コストについては前述した利用形態で大きく差が出るところだろう。セキュリティ面や機能面で比較的充実しているが導入コストが高くなる傾向にあるパッケージ型と、導入コストは抑えられる一方で長期的に見ると運用コストがかさむ傾向にあるクラウド型。自社が何を重要視するかによって利用形態は慎重に選択したい。また他システムとの親和性も重要なポイントだ。サービスによっては経費精算以外にも勤怠管理やワークフロー、給与計算に人事管理など、基幹系のあらゆるシステムを一体化した「業務パッケージ」として提供しているものもあり、利用者側のみならず管理者側にとっても工数軽減に寄与してくれる。こうしたサービスを選定するのも一手だ。
導入後の問題発生時に迅速な対応ができないのも後先を考えると危険だろう。サービスによっては保守・サポートが一定範囲以上提供されていなかったり、対応回数ごとに課金されるサービスもある。従業員の利用頻度もそれなりに高いシステムであるため、そもそも安定性や可用性に信頼性があるかどうかも確認するポイントになろう。とにかく今回の調査で多くの企業が経費精算システムの導入時に重視するとして挙げた「4つ」のポイントは、今後経費精算システムの導入を検討される際にはぜひ導入前に確認することをお勧めしたい。
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