野良アプリに情報漏えい、リスク山積のノーコード/ローコード開発の安全な進め方

現場主導でスピーディーな課題解決が可能になるとして注目される「ノーコード/ローコード開発」。安全な開発を進めるには、機密データの扱い方などリスクを最小限にするルール策定が肝となる。

 ノーコード/ローコード開発ツールはIT部門主導のシステム開発の弱点を補い業務部門で作業の効率化を進める選択肢として、またDX(デジタルトランスフォーメーション)推進エンジンの一つとして認知が広がった。現場主導のシステム開発によってスピーディーな業務改善が可能になる一方で、機密データや情報の取り扱いといったガバナンスが新たな課題となる。サイボウズの山田 明日香氏(事業戦略室兼営業戦略部)が、2022年7月に同社が公開した「kintoneガバナンスガイドライン」について詳細を語った。

ノーコード/ローコード開発の裏にあるリスクと課題

 国産のノーコード/ローコード開発ツールの代表格である「kintone」は2万5000社(2022年6月時点)に導入され、東証プライム上場企業の3社に1社が利用しているという。

 日清食品グループでは紙ベースの申請・承認業務や回覧業務のデジタル化にkintoneを役立て、スポーツ用品小売り大手のアルペンではPOSシステムやECと基盤系システムとの連携に、自動車部品メーカーのジヤトコでは現場主体の業務改善基盤としてkintoneを活用する。こうしてノーコード/ローコード開発ツールの活用が進む一方で、次のような課題が生まれた。

  • どの部署でどんなアプリが開発、運用されているのかが見えにくくなりやすい
  • 機密データの取り扱いをユーザー部門に任せていいかどうかの判断が必要
  • セキュリティ規制を逸脱した運用が懸念される
  • 運用の属人化リスクや情報管理面の問題
  • 組織の管理下にない「野良アプリ」が生まれる恐れがある

 こうした「守りの視点」は必要だが、それによって現場で主体的に課題解決に取り組もうとする「攻めの視点」が損なわれてはならない。そこで、リスクを把握しながらITツールを効果的に活用するフレームワークとして、適切なガバナンスの構築が求められる。

現場主導のアプリ内製化のリスク、星野リゾートはこう対処した

 2022年7月にサイボウズはkintone導入企業に向けて「kintoneガバナンスガイドライン」を公開した。外部のアドバイザーによる汎用(はんよう)的なガバナンスモデルを基に、kintoneの導入企業から寄せられた課題やガバナンスへの取り組みを参考にして作成されたものだ。ガイドライン作成のきっかけは、星野リゾートなど約20社が参加したkintoneの大企業向けユーザー会で上がった声からだった。

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