こんなPoCは失敗する 陥りがちな検証パターンとプロジェクト頓挫を回避するコツ

ビジネスアイデアの妥当性や技術的な視点で実現可能性を測る「PoC」。その重要性は認知されつつも、ソリューションやサービスの実現可能性ばかりに目を向けた検証に陥りがちだという。失敗プロジェクトを生まないためにも、PoCで確認すべきことを正しく理解することが必要だ。

 アイデアや技術、機能の実現可能性や顧客への提供価値を検証する「PoC(Proof of Concept)」(概念実証)。その必要性に対する認知が広がり、顧客へのサービス提供やシステム導入に当たって、PoCを取り入れる企業が増えている。

 ただ、PoCの取り組み方を正しく理解している企業はまだ少ない。検討や準備の不足、誤った取り組み方によって途中で検証がうやむやになってしまったり、結果をうまく生かせていなかったりするケースがあるようだ。PoCにおいては「とにかくやってみよう」という姿勢は禁物であり、実施前の準備段階で最低限検討すべきことがある。

 本稿では、野村総合研究所(NRI)のコンサルタントである矢倉 健一郎氏へのインタビュー内容を基に、PoCの事前準備に考えるべきことや陥りがちな失敗パターン、理想的なPoCのステップについて解説する。

なぜ「偏った検証」になるのか? 理想的な実践ステップとは

 まず、準備段階で「何を実証するのか」を明確にし、「目的」「検証の達成基準」「目標達成後の次のアクション」「目標未達の場合に取るべきアクション」をあらかじめ定めた上でPoCを進めたい。これらを考えずに進めると、「この結果を基にどう動くべきか」といった議論に多くの時間を費やすこととなり、非効率なプロジェクト進行に陥ってしまう。

 矢倉氏によれば、ここ数年で技術検証のニーズが高まっているが、技術的な側面でしか実現性を図れておらず、結果的にビジネスとして成り立たなかったパターンも珍しくはないという。

 理想的なPoCの実践ステップをまとめたものが、以下の図だ。PoCには「価値検証(バリュー検証)」と「技術検証」がある。

図 あるべきPoCの実践ステップ(出典:野村総合研究所の提供資料を基に作成)
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