GPT-4とは? GPT3.5からの進化とOpen AIが指摘した生成AIとしてのリスク

GPT-4はGPT-3.5から何が進化し、どのようなリスクを抱えているのか。

 Open AIは2023年3月14日(現地時間)、大規模マルチモーダルモデル「GPT-4」を発表した。テキストだけでなく画像が混在した入力にも対応し、テキストを出力する。Open AIは、GPT-4について「さまざまな専門的および学術的なベンチマークで人間レベルのパフォーマンスを示す」と評価している。同社によると、GPT-3.5のスコアは模擬司法試験において受験者の下位10%前後だったのに対し、GPT-4は上位10%のスコアで合格した。

 Open AIが同日に発表した技術レポートには、大規模言語モデルや生成AI(人工知能)ならではのリスクも指摘されている。同社は、GPT-4をリリースする前に、安全性の調査やリスク評価、その反復に8カ月を費やし、その結果を技術レポートにまとめている。

 GPT-4はGPT-3.5から何が進化し、どのようなリスクを抱えているのか。

GPT-3.5から何が進化した?

 Open AIは、ChatGPTと同様に社内の敵対的なテストプログラムからの教訓を生かし、これまでのGPTモデルと同様のデータで6カ月にわたり繰り返し調整した。その結果「GPT-4は事実性や操縦性、ガードレールから外れないという点において、過去最高の結果を得られた」としている。

 Open AIは、GPT-3.5とGPT-4の性能を比較するために、人間に向けた専門的な試験の他、さまざまなNLP(自然言語処理)用のベンチマークでテストした(図1)。GPT-4は特別なトレーニングを実施していないにも関わらず、模擬司法試験や大学院記録試験、美術史、生物学などの試験でGPT-3.5を上回る結果を示した。

 NLPベンチ―マークにおいても、各種ベンチマークに特化した細工や追加の学習プロトコルを含む可能性のある多くの大規模言語モデルのスコアを超えたとしている。

図1 GPT-3.5とGPT-4(図版ありとなし)の性能比較
図2 他言語でのGPTの性能比較

 これらのベンチマークの多くは英語で実施されるものだが、Open AIは他言語での能力を測るために、57の主題にまたがる約1万4000の多肢選択問題群「MMLUベンチマーク」を、「Azure Translate」を使ってさまざまな言語に翻訳してGPT-4をテストした。その結果、ラトビア語やウェールズ語、スワヒリ語などの学習用データが非常に少ない言語も含め26言語中24言語において、GPT-4は他の大規模言語モデルの性能を上回った。

 GPT-4は、テキストと画像の入力を受けて、テキストの情報を出力できるマルチモーダルモデルであることが特徴だ。

 図3のスマートフォンやケーブルを映した3枚の写真から成る画像について、「この画像の何が面白いの?」と質問した結果、スマートフォンとケーブルをそれぞれ識別し、その状態を記述した上で「この画像のユーモアは、大きくて時代遅れのVGA コネクターを小さくて最新のスマートフォンの充電ポートに差し込むというばかげたことから来ています」と出力した。

図3 この画像のどこがおかしいですか? パネルごとに説明してください

 図4は、フィンランドとジョージア、西アジアの1 日の肉の平均消費量を示したグラフを提示して、ジョージア、西アジアの値を合計するコマンドに対し、回答に至る思考の連鎖も含めて解を示した。

図4 ジョージアと西アジアの1日のうちの肉の平均消費量の合計は?

 なお、Open AIはモデルのパフォーマンスを自動評価するためのフレームワークである「OpenAI Evals」をオープンソース化しており、誰でもモデルの欠点を報告してさらなる改善に役立てる。

 GPT-4のテキスト入出力の機能は「ChatGPT Plus」でアクセス利用上限のもと利用できる他、開発者向けに順番待ちリストに登録した人から順次APIを公開する予定だという。画像入力機能はまだ研究段階のプレビューで、一般には公開されていない。

GPT-4の幻覚に対する改善とOpen AIが指摘する生成AIとしてのリスク

 GPT-4は2021年9月以降に発生した事象の知識がなく、その経験から学習することもない。ダブルチェックをしないために単純な推論ミスをしたり、ユーザーからの虚偽の発言に過度にだまされたりすることもある。また、セキュリティの脆弱性をコードに持ち込むリスクも指摘されている。

印刷する
SNSでシェア

レポート・資料

この連載の記事をもっと見る

こんなメディアも見られています

キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。

無料会員登録
最新情報をいち早くチェック!

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます(メディアごとに文章は変更)

いますぐ無料会員登録

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9

キーマンズネット SNS

X @Keymansをフォロー

インフォメーション

キーマンズネットをフォロー