RPA導入から6年、伊藤忠商事が編み出した全体最適の必勝法

2017年にRPAを導入した伊藤忠商事は、2022年度末時点で350体のロボットが稼働し、RPAとAI OCRによる業務削減時間は5万9千時間に上る。しかし、自動化で成果を出し続けることは簡単ではない。

 RPAの活用では、「業務の一部分しか自動化できずに効果が頭打ちになる」「社内にスケールしない」「管理運用が大変すぎる」といった課題がある。こうした課題が壁になって期待したほどの効果が得られないと感じている企業は多いだろう。

 一方で着実に成果を生み出している企業もある。2017年に「UiPath」を導入し、2019年には83体のロボットが69業務を自動化。その後拡大期に入った伊藤忠商事では、2022年度末時点で350体のロボットが稼働し、RPAとAI OCR(人工知能技術を用いたOCR)による業務削減時間は5万9千時間に及ぶ。直近では、RPAにAI OCRやPower Apps、AIチャットbotを組み合わせた業務の全体最適化も実現している。

 取り組みを成功させている背景には、同社ならではの思想や、組織体制、管理運用の工夫があるという。自動化で継続的に成果を上げるために必要なことを聞いた。

Power Appsとの組み合わせで1日1000件のWebサイト確認を自動化

伊藤忠商事の山地雄介氏

 2019年からの拡大期に重要な役割を果たしているのが、2018年4月に立ち上げたCoE(Center of Excellence)だ。CoEはIT・デジタル戦略部の8人と外部のSIerなどを含めた50人ほどで構成されている。

 その中心人物である伊藤忠商事の山地雄介氏(IT・デジタル戦略部 DXプロジェクト推進室)は、RPAと「Power Apps」、RPAとAIチャットbotを組み合わせ、RPA単体よりも広範囲な業務の自動化を実現した直近の事例を解説した。

船の動静確認作業をPower AppsとRPAで自動化

 伊藤忠商事の物輸入事業においては、荷物を乗せた船が今どこにいるのか、荷物がいつごろ届くのかといった情報を確認する「動静確認」という業務がある。商品の卸先である顧客に船の情報をタイムリーに伝えるための重要な仕事だ。

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